番組概要

中国・雲南省 押し寄せる観光ブーム

連日大勢の人で賑わう上海万博。客の多くが中国政府の内需拡大策などにより所得が増えた中国の中間所得層だ。中国国家観光局によると2004年に延べ10億人を突破した国内旅行者数はわずか6年後の今年、20億人を超えるとみられる。国内観光収入は15兆円を突破した。家計に余裕が出た人々が生み出した観光ブームの波は発展する沿岸部だけでなく上海から2000キロ離れた辺境の地、雲南省にも押し寄せていた。

シーサンパンナ[西双版納] 観光化にチャレンジする小さな村

雲南省南部の都市シーサンパンナ(西双版納)。メコン川沿いにありミャンマー・ラオスと接するこの地は東南アジアの雰囲気を楽しめる観光地だ。雲南省に居住する25の少数民族の一つジノー族は人口2万人足らずの中国最少の民族だ。産業の中心はプーアル茶の栽培で、数年前のプーアル茶バブルによって生活水準が一気に上がったものの08年にバブルが崩壊、次なる産業として観光業に着目し始めている。

村のパフォーマンス集団の団長、陳建軍さん(33)。踊りや歌、刺繍などの民族文化を目玉に村を観光地化し、出稼ぎに出ている若者を呼び戻そうと考えている。シーサンパンナには野生の象が見られるという「野象谷」や多くの少数民族を一ヶ所に集めた「民族村」などの有名観光地があり、ツアーの定番コースになっている。その牙城に食い込むためには陳さんの集団はまだまだ力不足、人数を確保するためスカウトに走り回る彼が見る村の将来像とは?

省西部・トウチョウ[騰沖] 巨大リゾートへと変貌を遂げる温泉郷

一方同じ雲南省の西の端、トウチョウ(騰沖)。火山地帯で温泉が出ることを生かし雲南省政府はこののどかな農村をシーサンパンナに続く一大観光地にすべく重点政策として開発を支援している。開発の中心となるのは北京本社のディベロッパー世紀金源集団。現在、温泉を利用した巨大ゴルフリゾート都市を建築中だ。都市を丸ごと建設してしまおうという脅威のスケールだ。

番組では、驚くべきスピードで進む辺境地域の開発や現地の人々の様子をもとに観光ビジネスの深層を探る。

主人公

  • 陳建軍さん

    ジノー族。村のパフォーマンス団体リーダー。民族文化を観光の目玉にすることで若者の雇用を増やし、村を豊かにしようと考えている。

  • 普正中さん

    北京のディベロッパー世紀金源集団に所属する。騰沖ゴルフリゾート開発の不動産担当者。辺境の巨大開発を成功させようと奔走する。

番組の見どころ

上海万博に、尖閣問題、良くも悪くも日本で中国のニュースを目にしない日はありません。しかし私たちが普段見ている中国のニュースは表面に出てきたほんの一部に過ぎません。ニュースには登場しない10億人ともいわれる内陸部の農民は、いかにいい暮らしができるかを日々考えて生きています。そんな辺境が今、胎動を始めています。

第4章では上海万博の対極で起きているもう一つの観光ブームにスポットを当てました。村を豊かにしようと奔走する少数民族ジノー族のリーダーと、想像を絶する規模のリゾート地開発を進める企業マン。こうした人たちの生き方を通じて内陸部の現状と潜在能力、パワー、そしてそこに潜む問題点などを感じ取っていただければと思います。

(プロデューサー 綱沢啓芳)

シリーズ13億人の深層とは

…2007年から始まった中国辺境の実態を捉えたドキュメンタリー

  1. 第1章 甦るシルクロードの大地 ~中国新疆ウイグルへの夢~

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    • 第4回日本放送文化大賞 近畿地区最優秀
  2. 第2章 迫り来る砂に挑む ~中国内モンゴル・遊牧が消える日~

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  3. 第3章 天空の教室 ~中国四川省・標高3,000mの希望~

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    • 第47回ギャラクシー賞奨励賞
    • 2010年日本民間放送連盟賞報道部門優秀賞