経済コロンブス
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経済コロンブス
 2002年5月19日放送
【 アートコーポレーション 寺田千代乃社長 】
寺田千代乃社長 夫、寺田寿男とともに東大阪に小さな運送会社を立ち上げて34年。 寺田が守り抜いたのは、徹底した「主婦感覚」だった。

1968年9月、トラックのドライバーだった夫と結婚、「寺田運輸」を設立。2tトラック1台と数人の社員で、主に建築資材などを運んでいた。しかし1973年に世界を襲った「第一次石油危機」。不況は、東大阪の小さな運送会社をも巻き込んだ。

寺田は考える。「何か新しいことを始めなければ…」。そんな時、たまたま見た新聞。そこには、「引越し貧乏」なる記事が! 記事には、引越しというものが以外に高くつき、家計を圧迫している実状が 書かれていた。それだけではない。大阪でも引越しにかけられる費用は年間150億円を超えるというのだ。

1977年、寺田は「アート引越センター」を設立。 電話番号も「ゼロからの出発」と「右肩上がり」の意味を込めて 「0123」にした。

主婦の感覚でアイデアを商品化する寺田の経営はヒットを続ける。 客の家で電話を借りた時に置いてくる「10円玉袋」。 新品の靴下への履き替え。 運搬中の殺虫サービス。 2階建バス「ドリームサルーン」。 車ごと引越しの「カーキャリー」。 などなど…。 常にお客の心を読んでいる寺田ならではのアイデアだった。

アート引越センター寺田は述懐する。「"それくらいのサービス、自分も気付いていた" という人がいる。大事なのは、実行するかしないか。 また、やみくもにサービスを乱発しても駄目。必要か必要でないかを お客の立場で考えることが大切。」と。

1995年、アートコーポレーションは売上300億円を達成する。寺田の徹底した「主婦感覚」が間違っていなかった証なのだろう。寺田は、5月20日に関西経済同友会代表幹事に就任した。主要経済団体のトップに女性が就くのは、初めてのことだ。

「大阪は中小・中堅企業の街。関西経済の明暗は、この中小・中堅企業が どこまで元気になれるかにかかっている。 "苦労はするけれど、その先にはいいことが待っているんだよ"ということを示していきたい。」 と、寺田は抱負を語った。

いつも寺田の心の中にある言葉「スモール・バット・エクセレント」 "小さくても一流の企業になろう"。 まさに今の関西に元気を与える言葉である。

関西経済同友会初の女性代表幹事、寺田千代乃。 中小・中堅企業のパワーをどこまで引き出し、関西経済に喝を入れることが できるのか、寺田にかけられる期待は大きい。

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