経済コロンブス
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経済コロンブス
 2003年2月2日放送
【 ICカードが関西の鉄道を変える!? 】
pic 鉄道利用客のほとんどが利用するきっぷや定期券、そしてJスルーカードなどのプリペイドカード。しかし、今後は新たな改札システム、ICカードが導入され、きっぷを買う手間、改札機を通す手間から解放される。ICカード実用化は、関西の鉄道に革命をもたらすか?

東京・新宿。一日約150万人の乗降客が利用する、JR東日本の新宿駅。とりわけ朝の通勤時は混雑が凄まじく、日本一の乗降客を誇るマンモスステーションだけあって、出改札はスピード化が要求される。
 
pic 利用客は、自動改札機にカードを軽く触れるだけで改札を通り抜けていく。定期券も機械の中に入れなくても改札を通過できる。

その秘密が、JR東日本で使用されている鉄道ICカードの「Suica」だ。定期券として利用するタイプと、プリペイドカードとして利用するタイプの2タイプがある。このSuicaは2001年11月から導入され、今や550万人以上が利用している。
 
pic 一方、JR西日本の大阪駅では、従来のきっぷや定期券、Jスルーカードなどの磁気券がほとんどだ。改札機の磁気券の処理時間と、ICカードの処理時間を比べてみると、磁気券では0.7秒かかるのに比べ、ICカードは0.2秒で処理できるため、改札でのスムーズ化を一層図ることが出来る。

そしてJR西日本も、今年中にICカード「ICOCA」の導入を予定している。JR東日本の「Suica」とほぼ同じシステムで、先月から実用化に向けた機能確認試験が始まっている。関西に初めて導入される鉄道ICカード、「ICOCA」はどのようなものか、JR西日本を訪ねた。
 
pic ICカードは、内部にICチップが埋め込まれ、磁気券の約10倍の情報が記録できる。利用客は、駅に備え付けられる自動券売機などでカードを購入する。

改札では、カードを改札機上のセンサー部に軽く触れさせることで、カードの情報を読み取る。カードを財布に入れたままでも、改札機は感知してくれる。改札機の読み取り部分からは半径10cm以内に電波が出ていて、ICカードの情報を読み取る仕組みだ。

磁気券の自動改札機は、カードが中を通過する複雑なメカニズムになっている。このため、メンテナンスの費用も手間もかかり、故障も避けることが出来ないという宿命的なデメリットがあった。ICカードの場合、機械で構成されるメカニカルな部分がないため、利用が広がれば機器費用、メンテナンス費用共にコストダウンが可能になる。
 
pic プリペイド式の場合、購入時にあらかじめカードにチャージされた金額から、改札機を通過するたびに運賃分が差し引かれる。残高がなくなれば、駅の自動券売機や精算機、入金機などでチャージを行うことで、引き続き同じカードを使い続けることができる。

定期券もプリペイド機能を持っていて、チャージすることによって、定期区間外でも精算することなしに、一枚のカードで乗車することが出来る。さらに、表面に印字された文字も書き換えが可能なので、定期券でも違うカードに買い直す必要はない。
 
pic 「ICOCA」の利用可能エリアは、JRのアーバンネットワーク内の各駅相互間。さらに、私鉄との相互利用も検討されている。東京の例を見てみると、JR東日本のSuicaの場合は、羽田空港と都心を結ぶ東京モノレールとの相互利用が可能になり、浜松町駅で乗換える手荷物の多い利用者からは、一枚で改札を通れて、しかも荷物を持ったままでも通りやすいと、評判は上々だ。
 
pic そして、JRとの相互利用が課題となっている私鉄の共通カード、「スルッとKANSAI」でも、2003年度中には阪急、京阪でスルッとKANSAI仕様のICカードを導入する予定だ。
技術的には、基本的な部分はICOCAと共通で使えるため、スルッとKANSAIでは細部の詰めを行ったうえで、なるべく早い段階で相互利用を可能にしたいとしている。
 
pic ICカードの持つ利点は、記憶容量を活かした様々な付加機能の搭載が可能なことであり、それを利用した鉄道周辺事業へのサービスの展開が期待されている。さらにJR東日本では、今年の6月からクレジット機能が付いた鉄道ICカードが発行される。運賃のクレジット決裁が可能になり、さらに将来ポイント機能が付けば利用頻度に応じたサービスを受けることも可能になる。

また、携帯電話にICカード機能を載せる構想もある。実用化すれば、携帯電話そのものがきっぷや定期券として使えるようになる。また、指定券情報を携帯電話に表示させて、チケットレス化を図ることも考えられている。

鉄道ICカードの登場は、どこまでビジネスチャンスを拡げるのか。今後のICカードを中心とした鉄道環境の変化が期待される。

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