優秀句・最優秀句作品

 

【最優秀句】白薔薇へテノール美しき喉仏 投稿者:じゃすみん
 薔薇園の光景なのでしょう。見事に咲きそろった薔薇園の中で一際光彩を放っている白薔薇。その様を愛でているのでしょう。薔薇の名呼ぶ声は美しいテノール。まるでシューベルトの歌曲を唄うかのような澄み渡る声が薔薇の花へと響いているのです。
 それを囲む作者や他の人たちは薔薇を愛でつつ、その声に聞き惚れる、至極の一時。薔薇の美しさに優るとも劣らない美声に酔うのです。
 その声の主に視線を移してゆくと喉仏に眼がとまった。声を発するたびに喉仏が声と呼応するように美しい曲線を描きながら上下しています。
 おそらく女性の名であろう薔薇の名前が呼ばれるたびに、それは愛の告白のように甘やかに響いているのです。テノールの軽やかさも白薔薇に似合っています。さて、次はどの薔薇に足を止めるのでしょうか。
【優秀句】砂日傘わがままさうな脚ばかり 投稿者:きゅうもん
 何もないほど真白い朝です。それは今まさに生まれ出た朝。光だけが凝縮した朝です。砂浜に並ぶパラソル。その下では女たちが海に入るのでもなく、お喋りに明け暮れるのでしょうか。時に、飲み物を男たちに運ばせては過ごす時間かも知れません。顔は見えないけれど伸びやかな足だけが海へと伸びている光景でしょう。その足はまさに「わがまま」そうな時間と空間を象徴しているのです。外国のリゾートの一日でしょうか。
【優秀句】ぼうふらの浮力わたしはカナヅチだ 投稿者:ポンタロウ
 ぼうふらをぼんやりと見ているのでしょう。観察するという程のことでもなく。あのフワフワとした動きに眼をとめているとぼうふらの浮力が気になり始めるのです。ぼうふらは人の眼など関係なく、ただフワフワ。それに比べてと気になり出す我が身。ぼうふらさえフワフワとまるで宇宙遊泳するように泳ぐのに私はカナヅチ。客観視するユーモアです。
【優秀句】一人称変えられなくて青トマト 投稿者:次郎の飼い主
 一人称、「私」「僕」「我」「拙者」「ミーちゃん」何と呼んでも「私」は「私」。長年呼び慣れた自分への呼称に、ふと疑問を抱く一瞬。しかし、呼び慣れた自分の呼称がすなわち自分自身でもある。そんなことを考えていると見えてくる現在の自分自身。そうだ青いトマトだ。まだ自分は熟していないトマトだ。赤くなったときはどう自分を呼ぶのだろうか。

【佳作】

書を曝す父の聖書に父の文字	投稿者:まどん 夏終わる旅行鞄の底に砂	投稿者:中西柚子 花空木おわりとわかる丁寧語	投稿者:七瀬ゆきこ 自在鉤の黒き影なる涼しさよ	投稿者:富山の露玉 時時は嘘を交へて枇杷たわわ	投稿者:木村摩耶 銀の筋残すでで虫見失ふ 投稿者:安田蝸牛(やすだかぎゅう) ベルばらの全巻豪華なる曝書	投稿者:ヤッチー 夏帽子ひとまず試食するキムチ	投稿者:かつたろー。

 

蒼き夜河鹿は銀の星を呼ぶ	投稿者:みやこわすれ 炎昼をダダと吐き出すプリンター	投稿者:一斤染乃 火を囲む背の原人めく裸	投稿者:樫の木 鉄塔の高きを沈め代田澄む	投稿者:文郁 夕焼けへ哭く吾の痛覚は青	投稿者:ぐ 花散りて茶筅の音の清しさよ	投稿者:?子 寝たきりの耳尖りゆく夜の河鹿	投稿者:比々き

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スケジュール
5/28〜7/1
俳句応募期間
7/9〜
応募された全俳句を公開 会員様からのコメント募集
7/30〜
最優秀句・優秀句の発表
選考方法
夏井先生が最優秀句と優秀句を選出。

 

プレゼント
最優秀句:図書券5千円分  優秀句:図書券3千円分

 

※入選作品の発表や出版に関する著作権はテレビ大阪に帰属するものとします。