大阪の伝統文化といえば文楽・歌舞伎ですよね。文楽・歌舞伎といえば近松
門左衛門を忘れてはなりません。そんな近松作品の舞台となった大阪の地を「関西・歌舞伎を愛する会」の世話人、河内厚郎さんにご案内していただきました。
曽根崎新地、いわゆる北の新地は、近松の最高傑作といわれています「心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)」の舞台です。小春という好きな女性ができた治兵衛には、妻もいますので、3人の心の綾を描いているんですが、二人は心中を決意して、水の都ですから、あちこち橋を渡りながら網島の大長寺まで行ったそうです。それを「心中名残の橋づくし」といって、それをまた近松が人形浄瑠璃の作品にしたんです。
そして、露天神社は、俗に「お初天神」と言いますが、これは有名な近松作品「曽根崎心中」に登場するお初・徳兵衛のお初の名前を取って付けられたんですよ。
近松ゆかりの地はまだまだあります。西区の厚生年金会館前にある新町北公園の一角に「新町九軒桜堤(しんまちくけんさくらづつみ)の跡」と刻まれた石碑が建っています。このあたりは、近松門左衛門の「夕霧阿波鳴渡(ゆうぎりあわのなると)」や「冥途の飛脚(めいどのひきゃく)」など、様々な作品の舞台になった所です。
街並みは変わってしまいましたが、まちのあちらこちらで石碑を見つけたり、話を聞き、舞台に出てくるまちが実際にあることで、大阪の魅力を再発見できるんですね~。今回たくさんのお話しを伺った河内厚郎さんは、大阪市主催で歌舞伎や文楽の作品にゆかりの場所や役者にゆかりの地を訪ねて歩くシリーズ「お芝居探検隊」の隊長をしておられます。
3月9日に行われます「お芝居探検隊」は、お染久松ゆかりの野崎観音をはじめ、「心中天網島」の小春と治兵衛の塚がある大長寺などを廻るコース。河内さんの案内で皆さんも、大阪の伝統文化をより身近に感じられてはいかがですか。
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