
精悍な面構え、力強いヒキ、そして用心深い性格から、釣ることが難しいとされるイシダイ。今回は磯の王者・イシダイに挑む。
場所は、九州きっての磯釣りフィールド、鹿児島県甑島。
5月25日午後10時過ぎ、鹿児島県の串木野港に二人のアングラーが到着した。福岡から来た柳孝治と高知から来た島本二郎、ともにイシダイ釣りのエキスパートとして名高い。
2人は串木野港から出船して、約1時間半、日付が変わった26日の午前0時、甑島の沖磯・中のオサンセと呼ばれるポイントに入り夜明けを待つ。
東の空がうっすらと白んできた午前4時半、いよいよロマンあふれる男の釣りが始まる。
期待の一投目。果たして?するといきなりの まずは餌の準備に取り掛かる。メインに使用するのは赤貝。イシダイが産卵行動に入るのっこみシーズンには消化がはやい軟らかな貝類が適している。
それにガンガゼをおり混ぜながら釣っていく。餌の準備を終えた5時過ぎ実釣開始。狙うのは磯際、足元から落ち込む壁に餌を這わせ10メートルから15メートルのタナを攻める。
しかし、この日は前日の時化が影響して水温が下がり、加えて潮の流れが悪く、魚の活性が上がらない。それでも餌をまき、仕掛けを打ち返し続ける。
結局、初日は島本が釣ったアオブダイ1尾に終わった。しかし1日餌をまき続けて作ったポイントを譲るわけにはいかない。二人はそのまま磯に残り、夜を明かすことにした。

翌朝。撮影スタッフを出迎えた柳の手に大きな魚。約1メートル、20キロほどあるクエ(モロコ)だ。聞けば夜釣ったという。柳曰く「昨日はイシダイの活性が低かったことだけでなく、この魚がいたから怖がってイシダイが食いついてこなかった。
だから今日は大丈夫」
果たして磯の王者・イシダイは二人の前にその姿を見せるのか。
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