『ゼロ』に近い状態の仕掛けを自然に流す事で、普通ではなかなか釣りにくいスレたヤマメでも、違和感なく餌を食べる。だから、わざわざ河川の上流部に行かなくとも、民家や車道の近くを流れる里川でヤマメ釣りが楽しめるというわけだ。この『ゼロ釣法』、数は面白いように釣れるのだが、極限まで細くした仕掛けのため、大物は掛けてもなかなか獲ることができなかった。
そこで派生してきたのが『パワーゼロ』というスタイル。今までの大物釣りでは太糸と丈夫な竿が定番であったが、『パワーゼロ』は違う。魚の奔走を力でねじ伏せるのではなく、魚を怒らせず、ゆっくり泳がして獲るのが『パワーゼロ』だ。基本的なメソッドは『ゼロ釣法』とほぼ同じだが、対象のサイズが30~40センチと大きくなった分、仕掛けは若干太めのものを使う。『ゼロ釣法』では0.08~0.1号をメイン使うが「」パワーゼロ』では0.25~0.4号。それでも魚のサイズに対してはかなりの細糸である。さらに、大型のヤマメには『パワーゼロ』なりのテクニックも必要になる。
番組では、スペシャリストの小貫藤夫が弟子の木内勝広とともに、実釣を通して『パワーゼロ』を詳しく解説する。場所は関東でも有数の激戦区として知られる、栃木県・那珂川。
さらにミニコーナー『ジオ』では、前回に引き続き“カラー魚拓”の後半をお届けする。