
世界遺産・屋久島。
そして屋久島の南西に位置し、南北160kmにわたり12の島が連なるトカラ列島。
この一帯の海域は世界最大規模の暖流「黒潮」の通り道の真っ只中にあるため、
魚影・魚種ともに豊かで、超大型の魚も多い。
また地理的にも本土から遠く離れているため、
釣り人の間では「夢の海域」と称されるほどの魅惑のフィールドとなっている。
今回は秘境の海をスロージギングで満喫する。
アングラーはソルトルアーフィッシングのエキスパート、
愛知県在住の清水一成と神奈川県在住の藁科友章のコンビ。
3月下旬。
夕方、屋久島空港に降り立った。
気温は19度、暖かな風が遠征気分をかき立てる。
二人は休憩も取らずに釣行の基点となる安房港(あんぼうこう)へ。
日没まで2時間もないが、早速海に出る。
港から20分、屋久島沿岸のポイントに到着すると、
清水は180gのメタルジグをセット、藁科は260g。
船長の合図とともに海底まで落とす。
さて今回の釣り方、スロージギングは、
文字通りスローなアクションで魚を誘うジギングのこと。
比較的ゆっくり巻き上げるので、女性や子供でも楽しめるとして人気が高まっている。
とはいえ魚を引きつけるには、ある程度のスピードは必要。
だが大切なのは、しっかり「フォール」を入れて
食わすタイミングをつくることだと清水は言う。
その清水はカンパチに狙いを絞って細かくジグの重さを変えながら反応を探る。
一方の藁科はしゃくり方を変えながら、幅広い魚にアピールする。
日没が近づき、そろそろ終わりかと思った時、二人同時にヒット。
小気味好いアタリがロッドに乗った。
釣れたのは、清水が小型ながらもカンパチ、藁科はマルヒラアジだった。
その後も清水がカンパチ、藁科がギンガメアジを追加し、
わずかな時間ながら「夢の海域」に期待が膨らむ初日となった。
明日は本命ポイントのトカラ列島へ…
だが思いもよらぬ展開が二人を待ち受けていた!
遠征釣行の醍醐味が詰まった30分、
お楽しみに!