6600年前の恐竜の体内をCTスキャンで撮影し、三次元画像にしたところなんと、そこに写
し出されたのは温血動物と同じ構造を持つ心臓だったと、ノースカロライナ等の研究グループが4/21付けの米科学誌サイエンスに発表し世界を驚かせた。現在の爬虫類の心臓には血液を送りだす心室が一つしかない。(例外のワニには二つあるがその境界の間に穴があいている)この場合酸素の多い血液と少ない血液が混ざりあってしまう為代謝が低くなる。また全ての爬虫類には大動脈が二本ある。哺乳類や鳥類は二つの心室と一本の大動脈で血液が混じりあわないので酸素が豊富に供給され活動的である。今回この心臓化石には二つの心室と一本の大動脈が写
っていた。これはこの事実は恐竜は温血動物だったという説を裏付ける証拠となると研究グループはいう。研究者たちは化石の見つかった農場主の妻の名にちなみこの恐竜を「ウィロー」と命名した。この4月からノースカロライナ自然科学博物館に常設展示されている今回のテスケロサウルス(驚くべきトカゲ)の心臓化石の映像、CTスキャンの画像データ、ラッセル博士のコメントなどを紹介しながら日本の恐竜博士に解説願う。
ゲスト:国立科学博物館 地学研究部 古生物第三研究室室長
冨田幸光
|