秋から冬にかけての行楽といえば『温泉』。風光明媚な露天風呂でのくつろぎは至高の贅沢といえるが、最近では都市近郊の温泉が人気を集めているという。『温泉法』によると、湧水の温度が25℃以上で、かつ、一定の鉱物を含んでいれば『温泉』と認められ、都市近郊の温泉であってもこの条件を満たしているのである。
温泉による入浴効果として、薬効によるものや温度、水圧などによるものが挙げられる。熱い湯につかると血流が活性化されるが、心臓への過度の負担を避けるためには、次の点に気をつけなくてはならない。
1. 湯舟につかる前に十分な『かけ湯』を行うこと。
2. 肩までつからずに、下半身だけつかること。
3. 38℃くらいの湯にゆっくりとつかること。
また、温泉の薬効は千差万別だが、市販の入浴剤にも、ヒノキに含まれる芳香性物質などを添加しているものがあり、それらには薬効があるといわれている。
さて、近郊型温泉のなかでも特に風変わりな温泉が神戸にある。阪神大震災によって出現したこの温泉は、なんと『足だけつかる』というものである。この不思議な温泉の様子や、実際の効果
などについても紹介していく。
出演者
兵庫県立リハビリセンター神経内科医長・温泉療法医 大西次郎
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