谷口康輔の上海支局Life
※交流人事でテレビ東京に出向、上海支局の記者をしています!
- Q. 上海支局ってどんなところ?
- 中国は非常に大きな国ですが、1980年以降、急激に都市開発が進み、いまや国家経済・金融の中心地となっているのが上海です。
その繁華街の一角に、支局があります。
- Q. どんなお仕事をしていますか?
- 中国を中心にアジアのニュースを取材し、放送につなげています。たとえば中国の人にインタビューをしたら、原稿を書くほかにも、映像を支局内で編集して、東京の本社に送る仕事などがあります。こうした仕事の流れ自体は日本でもだいたい同じです。
- では上海支局の特徴は…?というと、「担当エリア」の特別さです。
- かつては“アジアの世紀”ともてはやされたり、いまは“経済停滞期”とも言われたり…栄枯盛衰の移り変わりがとてもダイナミックなのが、担当エリアである中国と東南アジアです。
- そんなアジアの実情、日本の視聴者が知らないこともまだまだたくさんあります。それをテレビという映像メディアによって、分かりやすく、生き生きと伝える役目を担うのが、上海支局の最大の特徴だと思います。
- Q. 力を入れているプロジェクトはありますか?
- 地上波とネット配信のシナジーを図るプロジェクトです。出向先のテレビ東京は今年、このプロジェクトに全社を挙げて力を注いでいて、上海支局としても地上波&ネット配信の双方向けの新コンテンツ「中国テック」を立ち上げました。
- 実は中国には、GoogleやYahooに迫る規模の巨大テック企業が多数あり、2012年以降はそれにぶら下がる形の「テック系ベンチャー企業」が大量に生まれました。(もちろんたくさん潰れてもいます)
- その強烈な成長スピードを持つテック系ベンチャー企業を、モーニングサテライト向けの特集と、ネット配信向けの記者解説の2つの形にして紹介する形を取りました。
- 例えば・・・
・杭州にあるロボット犬の開発ベンチャー
・深センにあるドローン花火の開発・運営ベンチャー
・北京にあるオンライン教育系ベンチャー などなど
- 中国テックの現状を詳細な内部映像とともに伝えているメディアはまだまだ少ないため、私たちのコンテンツはかなりの数の方にご覧いただけています。ビジネスマンをはじめ日本人にとって、中国テックのことは「知らないでは済まされない」時代に入っているのだと感じます。
- Q. 上海生活で、驚いたことを教えてください。
- 欧米、東南アジア、ロシア、インドなど、実にさまざまな国籍の人が集まっていることに驚きました。こちらで知り合ったアメリカ人に言わせると、「アジアで一番国際的」「ニューヨークのよう」だそうです。
- そして富裕層が多いことにも驚きます。「浦東新区」という埋め立てによって開発された上海市東部のエリアがあるのですが、有名なテレビタワー「東方明珠」をシンボルにして、その周辺には金融街が広がっています。その辺りに住む「新上海人」と呼ばれる富裕層は、毎日高級レストランで食事をし、高級車に乗る豊かな生活をしています。
- その一方で、富裕層や外国人の姿がまったくない、貧しい中国人たちが肩を寄せ合って暮らす地域もまだまだあります。道にはゴミが散らばり、何かが腐ったような臭いが鼻をつくこともあります。
- Q. 上海に駐在して良かった!と思える経験を教えてください。
- 「米朝首脳会談」という歴史的な節目に、取材者として立ち会うことができました。
金総書記を直に目の当たりにできたり、世界各国のメディアの活動を知ることができたりと、特別な経験になったと感じます。