祭りだ！花火だ！今年も生中継「天神祭 2025」

―別のテレビ局からテレビ大阪に移られて初めての天神祭 生中継は、2008年でしたね。

はい。入社1年目で、いきなり“船の上からの生中継”という大役を任されました。かつみ♥さゆりさんと一緒に中継船に乗ったんですが、花火がまるで真上から降り注いでくるかのようでした！花火の音が大きかったので、本当に花火が近い！と感動しましたね。

―中継船からの生中継はいかがでしたか？

とにかくライブ感がありました。台本通りにしゃべることがなく、急にスタジオから「船を呼んでみましょう！お願いしまーす」と振られ、おまけに与えられた中継の時間もわからない。ノリと勢いで対応しましたね（笑）。思い出深かったのが、かつみ♥さゆりさんのギャグの瞬間に花火があがり、放送では花火に画面が切り替わっていたことです。当時は“なんでゲストのギャグよりも花火を優先するの？”と思いましたが、今思えば“それだけ奉納花火がこのお祭りの主役なんだ”と納得しました。

―2020年の天神祭は、特別な年でしたね。

はい、新型コロナウイルス感染拡大の影響で船渡御も奉納花火も中止。それでもテレビ大阪は大阪天満宮から特別番組を放送しました。その中継の中で、天神祭関係者が事前告知のない“シークレット花火”を八軒家浜で打ち上げたんです。

―誰も知らなかった花火に、どんな気持ちでしたか？

その音が天満宮まで響いて…本当に泣きそうになりました。コロナウイルスをきっかけに人との距離が生まれ、いつもマスクをつけていた時期です。イベントもなくなっていましたね。 つづく

花火の音を聞いた瞬間に、うわっ、ほっとする、そんな気持ちになりました。大阪を元気づけたいという思いで打ち上げた花火です。

もともと花火の打ち上げは、江戸時代に弔いや疫病退散の意味で始まったんです。日本最古といわれる隅田川花火大会は江戸時代に飢饉や疫病の流行で亡くなった人々を慰霊し、悪疫退散を祈るためのものとして始まりました。天神祭の奉納花火は、神様に見てもらうため、そして疫病退散や平穏無事への願いが込められています。だからあのときのシークレット花火は、まさに“祈り”だったと思います。音だけ聞いた、忘れることのできない花火となりました。

―最近ではヘリからの空撮映像も増えましたね。天神祭では前田アナウンサーが担当されていますね。

そうですね。淀川花火大会中継の空撮映像が好評で、天神祭中継にも導入されました。ただ、実はすごく過酷で…

―過酷というと？

まず、リハーサルが日中必ず行われます。その際、日差しの強い中で飛ぶヘリコプターの機内は灼熱です。おととしはヘリのエアコンが壊れてて、サウナ状態だったそうです。（汗）。 つづく

ヘリの音もすごくて、生放送本番はスタジオからの呼びかけがほぼ聞こえない中、ドキドキで実況しています。あの優雅な空撮映像には、毎年そんな“汗だくな裏側”があるんですよ。

―“灼熱と騒音”の中で奮闘する前田アナのヘリコプター中継は見どころですね！

―お忙しい中、ありがとうございました。