ドキュメンタリー7

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第39回

編んで、つないで。
~靴下と家族のものがたり~

2026年9月26日放送

日本で二番目に面積が小さい町・奈良県三宅町。
ここに68年続く靴下メーカー「鈴木靴下」があります。

売り上げの7割を占めるのが、サッカーのストッキング。
過去には日本代表の選手も使用していて、今も部活動やJリーグの選手など幅広い人に愛用されています。

二代目社長の鈴木和夫さん(67)。
父がつくった会社を守り続けてきました。

今では、会社を引っ張っていく立場にいる和夫さん。
しかし、入社した当時は父から仕事を任せてもらえず、
会社には居場所のなさを感じていました。
妻の縁で参入したスポーツソックス事業でさえほかの社員に。

やりがいのある仕事をしたいー
そんな和夫さんの転機になったのが、もう一つの仕事。
米作りです。

精米のたびに捨てていた“米ぬか”。
「もったいない。これを何かに活用できないか」
「米ぬかで靴下を作ったら、足がスベスベになるのでは」

そして、米ぬかの靴下の開発に挑戦。
開発費は総額1億円以上。3年かけて、ようやく完成。
その名も「歩くぬか袋」。
しかし、開発の何倍も苦労したのは販売です。

鈴木靴下は他社から依頼を受けて製造するOEMが中心。
和夫さんは、営業経験もなく、自社製品の売り方がわかりませんでした。
大手企業と商談の機会をもらったものの、圧迫面接のような環境で、
帰りには駅のゴミ箱に頭を突っ込んで吐いてしまうほど。

そんな父の姿を、ずっと心配していた人が。
就職で東京に出ていた娘のみどりさん(38)。
みどりさんは、大学卒業後、客室乗務員として東京で航空会社に就職。
「もし私が戻らなかったら今までの父の努力が水の泡になってしまうんでは」
父の力になりたいと、26歳の頃、鈴木靴下に入社しました。

父がつくった、米ぬかの靴下で新商品を開発。
病気で足がむくんでいた先代社長、みどりさんの祖父のためのものです。
家族に向けて作ったものでしたが、今では多くの人の悩みを解消する靴下に。

そして、父が苦労していた販売でも力を発揮します。
大手ECサイトに出品したところ、約2億点の商品のなか1位を獲得。
父の作った靴下が、娘の手で多くの人に届けられるようになりました。

みどりさんの結婚で、家庭もにぎやかに。
週末は、和夫さんの孫も一緒に3世代そろって過ごしています。
そんななか、家族が暮らす町にも試練がー
日本で二番目に小さい町。
和夫さんの孫は来年小学生になりますが、孫の住む地区では小学生が今2人。

町の商工会長でもある和夫さん。
町のため、子どもたちのため、
あるイベントを開催するために動いていました。

きょうも誰かのために。
小さな町の靴下工場でつながる家族の物語です。