ストーリー
渡会悟は1980年代に団地で生まれる。ごく普通に育った悟は、小学校の卒業とともに、「団地から一歩も出ずに生きていく」と決めてしまう。中学校には通わず、団地内のパトロールを日課に、毎日自分が作ったスケジュール通りに日々を過ごし成長していく。小学校の同級生たちの帰宅を出迎え、団地内のケーキ屋に就職し、同級生と婚約もし、団地の中だけで、精いっぱい青春を謳歌していく。やがて時代は移り、多くの人が団地を出ていくようになる。悟一人が取り残されるかのように、同級生の人数はどんどんと減っていく。それでも、悟は変わらず団地の中だけで生きている。そんなある日、悟は命がけの戦いに挑むこととなる。「団地から一歩も出ずに生きていく」と決めた本当の理由を胸に抱きながら…。