
その独特の釣法で熱狂的なマニアが多いヤエン釣り。長年、ごく一部の地域で親しまれてきたヤエン釣りだが、昨今のアオリイカ人気も相まって今や全国に広まりつつある。
実は、この釣りにはイカを釣るための針が無い。ではどうやってイカを釣るのか?まず、エサの活きアジをイカに抱かせる。その後、ヤエンと呼ばれる針金の先にイカ掛け針のついた釣具を道糸にかけ、ロープウェイのように滑らせイカに到達させる。とても奇妙な釣法だが、アオリイカの習性を知れば知るほど合理的に思えてくる。
大阪在住の岡啓太郎は、紀伊半島をホームグラウンドにするヤエン釣りの名手。10回当たって1回獲れれば御の字と言われる中で、岡はほぼ10割と驚異的な獲得率を誇る。4月初旬、岡は三重県の紀伊長島へヤエン釣行に出かけた。例年だと大型のアオリイカが接岸してくる時期である。しかし、今年は水温がに低く、岡は一抹の不安を抱えながら磯に上がった。
一投目、活きアジを足元から泳がせイカのアタリを待つ。すると10分も経たないうちに、イカが抱きついた。頃合を見てヤエンを投入。上がってきたのは1.5kgの良型である。
幸先の良いスタート、と思いきやその後は全くアタリ無し。イヤな予感が当たった。岡は三重をあきらめ次の場所へ。何と紀伊半島を横断し和歌山へ向かった。
「ここまで来れば何とかなるだろう」さて、岡の思い通りにアオリイカは釣れるのか?