|

四国山地の奥深く、高知・愛媛県境の瓶ケ森(かめがもり)を源とする吉野川。それは全長約194キロメートル、流域面積が四国全土のおよそ20パーセントを占める全国有数の大河である。
吉野川は、「暴れ川」の異名のごとく、過去に幾多の洪水をもたらし、人々の生活を脅かす存在であった。が、洪水による泥や土がもたらす肥沃な土壌は「阿波藍」という独自の染色文化をも開花させた。その洪水遺跡として、国指定重要文化財である「田中家」は、洪水に対する地元住民の知恵と共存の精神を伺い知れる建築である。

清流日本一との誉れ高い支流・穴吹川で、木の棒を竿に仕立ててヨシノボリ釣りを楽しむ地元の少年たち。吉野川とその流域に住む人々の姿を40年間にわたって撮り続けた一人の写真家。

絶滅危惧種のシオマネキ他、生き物たちの宝庫である河口の干潟。吉野川を舞台に、人と川、そして人と水との関わりをもう一度見つめなおす。
|