【天神祭での厳重警備】
3000発の花火が大阪の空を彩った7月の天神祭。
〈警備する警察官〉「こちらからは入場できませんので、立ち止まらずに東の方へお進みください」
130万人もの客が訪れた花火会場で、雑踏警備にあたっていたのが大阪府警第一機動隊の隊員たちです。
〈警備する警察官〉「大きな事故や事件など、けがもなく無事に終えることができてほっとしております」
【警察官のもう一つの顔】
彼らは要人警護やイベント警備を担う彼らには、実は別の顔が。
〈陸上部員〉「いきまーす」
大阪府警陸上部。2025年、76年目を迎えた歴史ある運動部で、22歳から34歳までの11人が所属しています。
〈陸上部米田選手〉「私たち陸上部は体力重視なので、どこまで逃げても、特に走って逃げる犯人は絶対に逃さない。そういう気持ちで取り組んでいます」
【圧倒的な強さの陸上部】
犯人確保の際、警察官にとって重要なのが脚力と持久力。多いときは1カ月に1000キロ以上走り込み、その力を磨いています。
最近、そんな彼らが注目されたある出来事が。2025年6月の大阪選手権。男子5000mで、1位から9位までを大阪府警陸上部が独占。いま大阪の陸上界で圧倒的な強さを見せているのです。
10年間陸上部で鍛えた記者がその速さを体感するため一緒に走ってみると挑戦しましたが…時速20キロ以上、数百メートル走ったところで置き去りにされてしまいました。
【過酷な練習環境】
部員たちの練習は早ければ朝5時から。機動隊の勤務前に行われます。
公務員チームという特性上、企業実業団に比べ予算は多くありません。
〈川田選手〉「合宿が多くできないので大阪の暑さと戦いながら、というのは少し厳しい。でも気持ちの面では負けない!」
トレーニング設備も整っておらず、着替えは車の影で。準備運動は公園の駐車場で行います。さらに事件や災害があれば練習を中断し、現場へ急行することも。企業の実業団とは違う、警察の部活ならではの難しさもあります。しかしそれこそが選手たちの能力向上につながっているのだと陸上部の伐栗監督は言います。
【監督が語る陸上と警察の関係】
〈伐栗監督〉「警察官やから、いつ何が起こるかわからへん。アクシデントに強くなれよとは言うてます」「仕事でなにかあったときに自分が一番に対応する、その姿勢が陸上にも積極性として出るのはすごくいいこと」
「警察あっての陸上であって、陸上あっての警察じゃない。それは彼らも理解している」
【ニューイヤー駅伝への挑戦】
当面の目標は、11月の関西実業団駅伝で5位以内に入り、2026年年元旦のニューイヤー駅伝へ出場することです。
〈大坂選手〉「ニューイヤー駅伝は正月に皆さんテレビで見ると思う。僕らは原付と同じくらいのスピードで走れるので、追いかけて捕まえることができるって知ってもらえれば安全につながる。そこで結果を出して『府警すごいな』と思ってもらえるよう頑張る」
大阪府警陸上部――脚で府民を守るため、今日も走り続けています。


