審議会内容
◆一般業務報告
◆視聴者対応状況報告
◆番組種別・特別番組について
◆番組合評
『ザ・ドキュメンタリー 戦争のリアルを追って~戦後80年の戦場記者~』
2025年9月27日(土)25:10~25:40放送
<委員の主な発言要旨>
・お墓とか爆発が起きているところとか、そういうリアルではなくて、人が辛い思いをしているというのが、すごく私たちに通じるような、リアルに戦争の悲惨な現状を見ることができた。
・戦争が長引き、だんだんと関心が薄れていく中で、テレビ大阪がこのようなジャーナリストをピックアップして番組にするというのは、戦場ジャーナリストのリアルを追ってという感じで素晴らしいことだと思った。
・特に印象的だったのは、音楽教師だった平時の人生を通して、戦場に生きる人の名もなき声を浮かび上がらせたいというところで、単なる戦場報道ではなく、戦場記者の心の記録として視聴者に訴えかける力を持っていると感じた。
・単なる美談に終わらず、生身の人間が戦場ジャーナリストなっている葛藤みたいなところがリアルに伝わってきた。冒頭に広島が出てきたが、戦後80年、広島とウクライナの繋がり、作り手の意図というのを、もう少し丁寧に描いてもよかったのではと思った。
・家族を大切にしたいという気持ちと、戦場記者として自分自身の使命を実現させたいということを、何とか両立しようとする五十嵐さんの姿がリアルに映し出され、番組に深みを与えていると感じた。
・音楽教師をしている同世代の兵士の死を、象徴的にピックアップしており、何人死にました、何人負傷しましたという数字に還元されてしまう戦場のリアルを、固有の人格を持った個人に引き戻すことをやっている五十嵐さんの仕事の内実を、番組が上手く拾い上げていた。
・五十嵐さんが戦場ジャーナリストをする意味、日本では無関心で「今はちょっと要らないかな…」と言われても、ウクライナの人たちに支えようとしましたよ、というメッセージを残すという言葉が、とても印象に残った。
・ニュース等では爆撃を受けた後とか、それを嘆き悲しんでいる映像が多いのですが、避難する際の家族との別れ、警報が鳴っている中で入学式に向かう人の姿、街には成人男性がいなくなるなど、戦争が日常になっている風景、戦時下の生活がよく映し出され、リアルなウクライナというものが伝わってきた。
局側
なぜ広島と五十嵐さんが関係するのか。実際、彼がNHKの広島が初任地として始まり、そこでの出会い、被爆者への取材など、広島の人たちから戦争と平和を取材することで付託を受けたような気持ちで、のめり込んでいったという心の動きがありました。これを少しでも説明するだけでかなり違ったので、私の力量不足を感じています。ご指摘いただいて足りないところを勉強し、次回以降いい番組ができるようにします。ありがとうございました。