ザ・フィッシング > 過去の放送一覧 > 2007年7月14日放送
北海道尻別川。その秀麗な山容から「蝦夷富士」と呼ばれる羊蹄山(ようていざん)の麓を流れる。川の周囲には家屋が少なく、生活排水が流れ込まないため透明度が高い。 ジャガイモが花をつけ始めた6月下旬、「フライの神様」の異名を持つ岩井渓一郎が尻別川を訪れた。岩井にとって尻別川は10年以上フライフィッシングスクールを開催し、石の位置まで把握しているという馴染みの川である。 初日は、本流約4kmの行程を、下流から上流へ釣り上がる。そもそもフライフィッシングとは、水棲昆虫や陸生昆虫を模した毛鉤(フライ)を使い渓流魚を釣る釣り。渓流魚が虫を食べる際にできる波紋、いわゆるライズがあると、居場所を特定しやすい。 しかし、この日はライズが思った以上に少なくポイントを想定して釣るスタイルになった。
多くの餌が流れてくる筋には、生命力の強いヤマメ、淵にはヤマメに押しのけられたイワナやニジマスがいるという岩井。前もってカメラにどこを流すかを説明、そして寸分の狂いも無く狙った筋を流し、ヤマメ、イワナ、 ニジマスを釣り分ける。 夕刻になると、多少ともライズが始まる。餌はコカゲロウのようだ。岩井はそのイミテーションであるCDCダン#16で狙う。ライズがあった場所を正確に流すと、一発でヒット。斑紋の美しいヤマメが釣れた。 2日目の午前中は支流に入り、良型のヤマメ、イワナをテンポ良く釣っていく。 午後は再び本流へ。川幅の広い下流でライズを待つ。30分、1時間、じっと川面を見つめる岩井。やがて、散発ながらもライズが始まる。岩井の立ち位置からおよそ15m先、しぶとくフライを流す。そしてヤマメがヒット、その後40cmオーバーのニジマスも食った。 淡い緑、深い緑と緑豊かな美しい尻別川で、フライフィッシングを満喫する。