山内一豊の妻の言い伝えが残る掛川城下で、一行が出逢った人のいい侍。掛川葛布を織る美しい妻女に支えられてはいるが無役の身。その侍に対し、役につけると騙して十両巻き上げた上、御用金使い込みがバレることを防ぐ為に打った御金蔵破りの責任をなすりつけた家老の放蕩息子。内助の功に報いる為に悪計を暴き出す黄門さま。
初午の祭礼で賑わう豊川稲荷へやって来た黄門さま一行。宿で相部屋になったいわくあり気な男や女達。その宿で江戸の商人が殺され、浮かび上がる強請のからくり。年貢横流しに加担した郡奉行と商人の黒い繋がり。濡れ衣を着せられて処罰された無実の商人の悲劇。怨念を秘めた復讐の筋書きが明らかにされた時、黄門さまの正義が燃える。
絞りで有名な鳴海の宿で一行とぶつかった男は型師として腕は名人級。その女房と娘が絞りを担当。人情家の問屋父子の許で仕事に励んでいたが、藩の物産方役人と結ぶ問屋が横車。職人が引き抜かれて大ピンチ。一大決心した娘が始めた下絵描きに溢れる才能を発揮。十二年前、謀叛の罪で切腹した武士を巡る謎を解き、悪を懲らす黄門さま。
干瓢で有名な水口で、助三郎と格之進達と喧嘩別れした黄門さま、道を間違えて穴に転落。一方、行方不明の黄門さまを捜す助三郎と格之進が見た現状。村人達に高利の金を貸し、返せぬと娘を売り飛ばす悪者一味。ひょんな事から黄門さまに間違えられた旅の講釈師と知り合った助三郎と格之進達が、本物と偽の黄門さまを組ませて、人の生き血を吸う悪人供を大掃除。
<第163話>
祭り間近の小倉で一行が聞いた名人級の祗園太鼓。打ち手は酒浸りの船大工。健気な娘の献身にも仕事を再開する気配なし。一方お銀が助けた廻船問屋の主人夫婦は生き別れの娘を探す身。その娘こそ船大工の娘と判り、苦悩する生みの親と育ての親。弱身につけ込む悪を暴いた黄門さまが、総てを丸く治める人情裁き。
<第164話>
京の都で一行が出逢った放蕩息子は、御所御用達の菓子を造る老舗の若旦那。一日若旦那を気取った八兵衛と意気投合して祗園でどんちゃん騒ぎ。挙げ句の果てに若旦那は頑固一徹の父親に勘当される始末。その老舗の看板を狙う菓子問屋が欲深、好色な公家と結んで無理難題。京の名菓を守ろうとする若い職人達を助ける黄門さまの活躍。