会津の民芸品・赤べこを売る若女房に横恋慕する漆器問屋の若旦那。亭主は腕のいい職人だが、若旦那のせいで仕事を干されている。そんな亭主に献身的に仕える女房をいびる職人の母。格式高い塗り物がすたれるその陰に、問屋と漆器奉行の悪企みを知った黄門さま、殿様献上の漆器を利用して策を練り、職人に名品を作らせ、悪を懲らしめる。
二本松の城下に入る途中、黄門さま一行は忍び狩りの一団に襲いかかられた。どうやら公儀隠密と間違えられたらしい。一方、お銀と又平が出逢った怪しい毒消し売りの男。その男が若君付きの奥女中と密会。若君出生に隠された秘密を巡る世継ぎ問題で藩内は騒然。悲情な忍び狩りの刃をかわしながら黄門さま達が辿り着いた事件の真相は?
和紙で名高い白石へ向かう道で和紙問屋の主人を助けた一行。その仕事場で紙から布を作る研究に打ち込む侍。侍の風上にも置けぬと怒る親友。その妹は侍の許婚で、今でも侍を信じている。侍を狙う悪者一味に紛れ込んだお銀・又平が探り出す裏のからくりに浮かび上がる侍の上司。新発明の利害に絡むひと騒動に黄門さまが立ち上がる。
病気の母親に鯉の生き血を飲ませようと禁漁の川で鯉を獲る武家娘と許婚者の若侍。娘の父は町道場の道場主。折から仙台の城下は景気が悪く、領民達は青息吐息。米の相場で私腹を肥やす悪の一派が、目障りな正義派の家老暗殺を計画。なんと、その道場主に暗殺者を受け負わせた。苦悩する道場主を救った黄門さまの奇策。
<第106話>
酒処、新庄で一行が呑んだまずい酒。酒造りを止め、酒浸りの父親に健気に仕える娘。その娘を慕う職人とともに何とか父親を再起させようとする。酒の独占販売で私腹を肥やす酒問屋が企んだ過去の殺人の罠。その罠を暴き、黄門さま自らお白洲で父親の無実を明かし、悪人達を裁いてまずい酒を追放。天下の美禄を取り戻す。
<第107話>
山形への道で一行が出逢ったのは、黄門さまも顔負けの頑固な老人。一方、格之進と八兵衛が助けた巡礼娘は、礼も言わずに姿を消す。名産・鋳物造りの名人がなんとあの頑固親父。その父を支えながら献上の茶の湯釜造りに心を砕く娘と、いわくあり気な若い職人。役人と結んだ問屋の企みを見破って、悪を懲らしめ、見事に釜を完成させる。