なつかしい江戸に戻って来た一行。息つく暇もなく巻き込まれる襲撃事件。若年寄の座を狙う大名同士の暗闘を背後で操る柳沢吉保。大奥まで絡んだ根深い確執に翻弄される呉服問屋の娘。政道の乱れに憤りを感じた黄門さま、自ら江戸城に乗り込んで柳沢と対決。見事に事態を解決する。水戸への道中は明るい初夏の日射しに包まれていた。
江戸は目前の川崎大師で、名物の飴を売る健気な娘。だが娘の兄は博奕の借金で追われる身。一大歓楽街にしようと門前町を、地上げ屋よろしく暗躍する悪党たち。その後ろで糸を引くのは代官。兄の許嫁者も好色な代官にかかって死に至らしめられた。事情を知った黄門さま、兄を幽霊に仕立てて悪人の尻尾を掴む珍騒動。
鶴岡八幡宮で有名な鎌倉にやって来た一行。早速八兵衛が辻斬りに襲われ危機一髪。助けられた家は名門の刀鍛冶。折しも将軍家献上の守り刀を息子と弟子に競わせている最中。その献上刀を狙う代官とその倅の悪企み。利用された母親が息子を勝たせようとして罠に。怒りに燃えた黄門さま、辻斬りの正体を暴くとともに献上刀を完成させる。
天下の険と謳われた箱根の山へやって来た黄門さまが見た関所の実態。関所役人と手を組んで、雲助を使い箱根八里を我がもの顔にのさばり私腹を肥やす悪親分。嫌がらせに耐え、女手ひとつで元湯を守る旅籠の娘。助三郎が救った娘が探る父の死の真相。父が殺されたと知った娘の仇討ちを助け、はびこる悪を一掃する黄門さまの幽霊騒動。
<第169話>
天下の茶所・駿河は清水で一行に見つかった女掏摸と弟分。腹いせに黄門さまの印籠を盗み出した。役人と結んで茶の独占を企む茶問屋が狙う茶畑。必死で守る病弱の女主人と娘。なんと掏摸の弟分はこの家の跡取り息子だった。悪人を懲らしめ、親不孝の息子を改心させる為、印籠を利用してひと芝居打つ黄門さまの茶の香り騒動。
<第170話>
三島の宿で、黄門さまをちゃっかり馬に乗せた少年馬子。だが身なし児という哀れな身の上。少年を可愛がる宿屋の主人と娘。だがその宿屋に立ち退きを迫る、代官と結んだ悪者一味の謀略。一方、助三郎が助けた武家の女は代官の娘。女には昔、子供を里子に出した悲しみが。利権に走る黒幕を叩き潰し、母と子、父と娘の絆を甦らす黄門さま。