助三郎とお銀が救った角兵衛獅子姉弟は、母親を訊ねて越後・新発田へ向かう途中。一方、新発田城下で黄門さまが助けたのは、料理旅籠の娘。そこの女主人こそ姉弟が捜し求める母親だが、女主人は母である事を認めようとしない。義理と人情の板ばさみに苦しむ女主人の胸の裡を知った黄門さま、つけ入る悪を退け、親子の名乗りを上げさせる。
越後長岡への道で知り合った旅人。お銀にひと目惚れのせいか、気前のいい事。城下に住む母の許へ帰ったが、母は既に病死。ヤケのヤンパチ、その悔しさは私腹を肥やして領民を泣かせる悪家老に向けられて『世直し天狗』と名乗って義賊を気取った旅人を諭し、悪家老の屋敷に乗り込んで千両箱を盗み出す、本物の世直し騒動。
越後路の難所・親不知で、足を痛めて一行から遅れた香織が山賊に攫われた。信州へ送る塩を横取りする山賊一味を追う土地の目明し。必死に香織の行方を追う格之進。山賊の本拠地に潜り込んだお銀と又平も化けの皮が剥がれて危機一髪。仕掛けられた罠に自ら飛び込んでゆく黄門さま達が、全力を挙げて戦う糸魚川の大激戦!
<第96話>
越前加賀の国で名高い九谷焼の窯元を訪ねた一行。名人の息子兄弟が献上の作品で父の跡を継ぐ為の腕比べの最中。だが弟は何故か芸者にうつつを抜かして気もそぞろ。その芸者に横恋慕する陶物問屋が家老と結ぶ悪企み。血が繋がらないにも拘らず、兄弟の清い本心を知った黄門さま、悪人を退治して九谷焼の誉れを更に高める活躍。
<第97話>
旅の途中で知り合った女旅役者一座と加賀百万石の城下町・金沢へと入った黄門さま一行。だが町は火の消えたようなありさま。名産加賀友禅の売買が差し止められた為だ。差し止めを命じた奉行と陰で友禅の一手製造販売を目論む悪徳商人の企みを感じた黄門さま、一計を案じ、一座を利用しての大芝居を書き下す。ご存知漫遊大狂言の幕が開く。
越前福井へ向かう途中、助三郎が助けた赤ん坊を連れた女。聞けば店の手代と駆け落ちした和紙問屋のひとり娘だという。黄門さまがお銀とともに赤ん坊を実家に届けに行ったが、ケンもホロロの扱いどころか、既にもうひとりの赤ん坊がいた。果たしてどちらが本物か。裏で藩専売の和紙横流しを企む悪者一味を退治して、黄門さまの子守唄。