京の都の名物、西陣織と京人形。その織元が邪な公家と結んで、その両方を牛耳って私腹を肥やす企み。黄門さまが出逢ったのは、今は亡き名人の人形師の娘。芸妓となって父の弟子を助け、名人の技を活かそうと苦労している。更に草庵に閑居する気品ある老人の正体は?あでやかな人形比べを控えて、京の都に繰り広げられるひと騒動。
大阪で博打に負けた黄門さま。珍商売、台所のガラを集めた食べ物屋、ダイガラ屋の若者に拾われたが、さすが上方、始末の仕方が並みじゃない。びっくり仰天の初体験。塩昆布問屋の権利と跡取り娘を狙う悪者一味が、将軍献上の昆布を巡る悪企み。健気な娘とダイガラ屋の心意気にひと肌脱いだ一行が、浪花の都で大暴れ。
紀州を目指す黄門さま一行に、それを阻もうと襲いかかる忍びの殺し屋の群れ。弥七に救われたお銀を執拗に狙い続ける竜神坊。怪忍者玄心と手を結び、紀州家の世継ぎ暗殺を図る悪家老一味。付家老・安藤飛騨守の助けを借りて城内に忍び込んだ一行が、薪能の舞台で一味と対決。二人の鐘馗は、果たしてどちらが正か邪か。
<第84話>
伊勢の桑名で黄門さま一行が泊った宿は、蛤にあたって死んだ客の幽霊が出ると言う噂で閑古鳥。主人は賭博で大借金、仏壇まで質入れする始末。助三郎と八兵衛が泊った宿の主人は二足草鞋。その宿の女中が助三郎を江戸の十手持ちと勘違いして打ち明けた秘密とは…さびれた旅籠の主人夫婦を幽霊に仕立て上げ、幽霊騒ぎの真相をあぶり出す黄門さま。
<第85話>
吉野山中で刺客に襲われ、助三郎と八兵衛が負傷。山に住む娘に案内された小屋の主は、お銀の師匠で、お銀の祖父・藤林無門の弟子だった。黄門さまを狙って新たに登場した根来の三つ編み者に小屋の主は殺され、残された風車から、お銀は弥七の仕業と思い込み、弥七の跡を追う。吉野の山に巻き起こる忍び同士の血で血を洗う抗争。
三河花火で名高い三州岡崎で、何者かに襲われている老人を救った一行。老人は花火作りの職人で死んだ息子の嫁と二人暮らし。折から殿様上覧の御前花火を巡り花火師の腕比べ。だがどうしても考えた色が出せない。火薬の原料をネタに大儲けを企む悪者一味に紛れ込んだお銀・又平に加え、忍びの刺客の影。火薬小屋爆破の危機迫る。