囚人を護送する唐丸籠から救い出した女房が訴える無実の罪。地獄の底に罪なき村人達を送り込む隠し銀山の秘密。商人からの賄賂で懐を肥やし、悪事を見て見ぬふりの代官。そんな父を悲しむ優しい娘。黄門さまの作戦で、悪者の内懐に喰い込む助三郎・格之進・お銀・又平。銀山で悪と対決の時、初めて代官の真の狙いがはっきりする。
雲州松江藩でお抱えの七里飛脚。江戸と松江の間を七月七日夜で走り継ぐという韋駄天走りが売り物。その飛脚問屋を女の細腕で支える娘。悪の一味が次席家老と企んで、娘が守るお墨付きを賭けての走り比べ。一度は飛脚の足を洗った男が、娘の苦労を知って立ち上がる。弥七やお銀も大奮闘、抜きつ抜かれつ、手に汗握る大競争。
鳥取の砂丘で皆とはぐれた黄門さま。乗せられた駕籠屋と一杯呑んだのが運のつき。駕籠屋と同じ長屋に住む浪人者とその娘と知り合ったが、父親が辻斬りの下手人として、ひとクセあり気な岡っ引きに挙げられた。陰に潜む悪のからくりを暴く為、お銀が幽霊に化け、香織が囮となって、駕籠とともに真の下手人をおびき出す大奮闘。
<第90話>
井伊家の赤備えで有名な江州は彦根の城下で、新式の鉄砲を持った黒装束が御用商人を襲うという物々しい騒動が起こる。やって来た黄門さま一行が流れ弾に当たった娘を助けたが、その正体は鉄砲鍛冶の娘。無人の村に関わる謎とは何か。新式の鉄砲の製造を巡る秘密を追って、大筒小筒、西部劇も顔負けの壮烈な銃撃戦が展開される。
<第91話>
丹後は宮津の名産、ちりめん織りの織り子に売られてゆく娘達と出逢った黄門さま一行。その中で器量がいい娘を養女に売る、悪辣な人入れ稼業の親分。一方、その親分と組んだ悪家老の秘密を暴く密書を携えた侍が一味に襲われた。負傷した侍を助けて、お銀と又平ともども、湯けむりの陰に泣く哀れな娘達を救いだす、怒りの黄門さま。
近江八景で知られる膳所の城下で、一行が出逢った武家娘は、公金紛失の責任を問われて、真犯人探しの旅に出た許婚の母親を助けて、家も捨て、組紐の内職に精を出す健気な娘。その娘に親切ごかしで近寄る許婚の同僚。そんな時、許婚が戻って来た為、事件は再び動き始める。裏に潜む企みを探り出し、非運の許婚と娘を助ける大活躍。