<第233話>
銘刀の故郷備前長船で早速に訪ねた刀匠に、刀は作らないと追い帰された黄門さま一行。頑固な刀匠と刀剣独占を狙う刀剣屋のいさかい。そして巷に出没する謎の辻斬りに刀匠の娘婿は殺され、姉娘もまた囮となって傷を負う。再び仕事にかかった刀匠の胸に燃える復讐の一念を見た黄門さまが暴いた辻斬りの正体はなんと岡山藩の勘定奉行だった?!
<第234話>
格之進が出逢った美しいが伝法な女掏摸。守り袋をたよりに実の親を探すその娘が最後のたのみとやって来た丹後宮津では、縮緬の利権を狙って呉服問屋が悪人と組んで陰謀を巡らせていた。町奉行まで抱き込んだ呉服問屋が脅しをかける友禅問屋の生き別れの娘こそがその女掏摸なのか?親娘の絆を甦らせて、悪を一掃する黄門さまの活躍。
<第231話>
風光明媚な松江城下で突然藩の重役を襲った刺客は、血気にはやる藩の若侍達。城中で密かに進行するお世継ぎを巡る首席家老と次席家老の争いと、恐るべき陰謀。その陰謀を未然に防がんと、単身敵の懐に飛び込み、連判状に名を連ねる家老の決死の覚悟。真実の忠義に感じた黄門さまが、松江藩のためにひと肌脱いで大活躍。
<第232話>
お銀がイタズラで掏った助三郎の財布。それを見ていた旅の掏摸が勘違い。お銀に惚れこみつきまとって離れない。この人のいい掏摸が十六年前に鳥取城下の藍玉問屋の父娘の心中を引き止めた恩人だとは当人も忘れてしまったことだが、その時の約束を利用して大店乗っ取りを企む奴が現れた。因果応報の人の世を見事に裁いた黄門さま。
<第229話>
萩の城下で出逢った酒浸りだがかつては名人と呼ばれた指物師は、生さぬ仲の健気な娘に酒代のために身を売れと迫るほどの落ちぶれ様。一方やっと巡り逢えた娘の実の両親は金の亡者。その親に萩焼き独占を企む悪い奴らが襲いかかる。美しい娘心と萩焼きの伝統を守るため、一肌脱いだ黄門さまが悪を一掃。
<第230話>
楽しみに訪れた銘酒・安芸鶴の蔵元は火が消えたようなさびれ方だった。若く美しい女主人を後添えに、とせまる競争相手の蔵元の主人と、勘定奉行が組んで企んだ陰謀で藩御用達の看板も風前の灯。酒と博奕に溺れて家を顧みない跡取りの弟を信じて待つ女主人だが、進退窮まりついに競争相手に嫁ぐ日が…。
<第227話>
湯の町別府の湯治宿で一行が出逢ったわがままな姑と健気に仕える後家の娘。夫の残した竹人形の店を竹細工職人と共に懸命に守ろうとする嫁だが、その嫁に食指を伸ばす悪代官に却って嫁を差し出そうとする姑。嫁の真心に心打たれた黄門さまが、悪代官と悪者一味の無法に正義の鉄槌を下せば姑の心も氷解する。
<第228話>
中津へ入った黄門さまが目にしたのは、家老と家老の勢力争いに巻き込まれて苦しむ農民の姿。黄門さま一行も道普請の使役に参加して内情を探るが突然現れては両家老の邪魔をする紫頭巾と、静観したまま動かない筆頭家老の心中は謎のまま。助三郎が知り合った腰抜け侍と筆頭家老の娘の恋も絡まって両家老の争いの行方は?
<第225話>
薩摩の国に入ったところで見かけた優しい若侍と、母は善人なのだが呑んだら始末におえない中間の主従。二人をつけ狙う家老の息子一味は、若侍の検地査察の調べ書きを狙い、ついには若侍を斬殺。悲嘆にくれる中間と残された許嫁が、死を覚悟の仇討ちに立てば、背後に年貢米の不正を見抜いた黄門さまも怒りの助太刀。
<第226話>
蛇にかまれた八兵衛を手当てしてくれた“お助け屋”と呼ばれる女は無類の世話好き。たった一人の娘の相思相愛の相手は恩を受けた材木問屋の若旦那だが、その店の鑑札が取られて切羽詰まった時、お助け屋の母が現した昔の正体は“黒揚羽”と呼ばれた女盗賊。金貸しの両替屋に便乗した好色な勘定奉行の悪企みに立ち向かう黄門さま。