<第210話>
桑名名物焼き蛤を食べ過ぎて、腹痛を起した八兵衛。元御典医の娘だという美しい女医者に診てもらえば、請求された法外な治療費。不審に思った黄門さまの調べで、御典医の座を巡って七年前に起きた事件が浮かび上がる。医は仁術か算盤か。桑名藩十一万石に巣喰う病根を断つ為に、病に伏す殿様に代わり真実を暴く黄門さま。
<第211話>
お菊の父親捜しで京に入った黄門さま一行が助けたのは西陣織の老舗の女主人。町奉行を抱き込み、西陣織独占を画策する悪徳商人に対抗して、生さぬ仲の独り息子に暖簾を渡すまではと頑張っている。その心も知らずに放蕩の限りを尽くす若旦那の目を醒ますため、情けを教える黄門さま。記憶を失ったお菊の父とも涙の再会。
三河花火で名高い吉田で、一行が出逢った花火師は商売仇の陰謀で失明寸前の状態。その花火師を支え、花火作りに手を貸す美しい妻。三河の夜空を大輪の菊で彩る夫婦の夢を叶えさせようと、尽力する一行だが、花火に使う硝石をネタに大儲けを企む商売仇と悪家老の度重なる妨害。花火較べを目前に黄門さまの鉄槌が下される。
浜松で一行が泊まった宿は、鰻中毒で死者を出した罪で鰻料理が出せない。その上、中毒で死んだ客の幽霊が出るという噂で閑古鳥。幽霊騒ぎを操り、美人の女将と老舗旅籠を手に入れようとする悪企みに気付いた黄門さまが、真相をあぶり出す為に幽霊に扮してひと芝居。鰻の里の平和を取り戻し、父を捜す娘お菊を一行に加える。
駿府代官の圧政に苦しむ農民を救う為、お鈴の案内で神君家康公お墨付きの茶処、川根に入った黄門さま。だがすでにお鈴の父の庄屋は召し捕られていた。百姓爺に化けた黄門さまが、黄門さまを見かけたと言いふらせば、折しも島田宿には白い髯の旅の芸人。偽の黄門さまとも知らず戦々恐々の代官一味を手玉に取って、黄門さま主従が打った大芝居。
参勤交代の途中、お微行で駿府の町へ出た但馬豊岡のお殿様はなんと助三郎に瓜ふたつ。雨宿りした軒下で町一番の竹細工職人の娘と知り合ったが、とろろ汁の礼と渡した財布が仇で娘は好色な町奉行の奸計に陥った。一方行方不明の殿様の身代わりで助三郎は綾姫、お鈴と共に本陣に。民を治める難しさを身を以て教える黄門さまのお微行指南。