<第849話>
些細なことで助三郎と喧嘩別れした黄門さまは、謎の虚無僧に襲われた武士から今際の際に会わせたい娘がいると聞かされる。偶然助三郎と八の相部屋に居合わせた男装のその娘にかかる追手。弥七の調べでお家騒動の絡む裏の事情が明らかになる。襲い来る追手を払いながら、黄門さまと格之進は娘に導かれるまま久留米に向けて旅立つ。
<第850話>
お家騒動の仲裁に黄門さまの裁断を仰ぐべく、黄門さまを導いて海を渡る弥生。小倉では廻船問屋が厳しい警戒線から一行を護るが、程なく主人は代官所に召し取られる。探索に出た弥七は、主人が藩財政を憂うあまり抜け荷に手を出していたことを知る。唆した本人の家老は主人に罪を着せるが、一切の証拠となる書き付けを持つ黄門さまの大活躍。
<第847話>
丹後は宮津で、祖母と孫娘が経営する料亭。その店と孫娘を狙う悪人達。亡き父が博打で作ったという借金の、偽の証文を見せられて、娘は店の為に嫁に行く決心をする。だが、娘に惚れていた板前と黄門さま一行が、祖母と共にそれを止める。八兵衛とその子分も大活躍し、二足の草鞋を履く悪町奉行をこらしめる。
<第848話>
如何様の罷通る賭場を足蹴に消え失せる旅人の威勢の良さが黄門さま一行の目に爽やかに映る。一行が泊まる宿の母娘が、出奔から戻るのを願って止まない長男こそその旅人であった。罪を着て故郷を捨てた旅人の過去の秘密を知る幼馴染との友情はとうに歪んでいた。黄門さま一行に助けられ五年間の汚名を濯いだ旅人は母と妹をその胸にかき抱く。
<第845話>
金を目当てに黄門さまの命を狙った男を斬ってしまった格之進。垂井の男の実家へ形見を届けに行ってみれば、それを乗っ取ろうとする駕籠屋と役人がいた。亡き父の代わりに自分の手で家を守ろうとする少年に、幼い頃の自分を見た格之進は、全てを振り切って敵の中に飛び込んでいく。そこで格之進が見たものは…。
<第846話>
越前福井の家督騒動。藩主の病弱をいいことに、自分達の子供を殿の嫡子と偽り、藩の乗っ取りをたくらむ城代家老と側室。そして、殿の甥を立てようとする重役派。やがては義兄弟ともなろう二人の男が、忠臣であるばかりに互いの命を狙い合う。そこに登場黄門さま一行、弥七が証拠を手に入れて、あとは藩主に解決をさせる。
<第843話>
木曽は木どころ檜の香り。ここにも二つの材木問屋があった。それに巻き込まれたのは一人の老浪人。以前の主家の盗まれた刀を取り戻す為に、切り出しで日銭を稼ごうとして殺されてしまったのだ。黄門さまは怒りを隠さず、影で糸を引く悪代官に自ら裁きを下す。再び旅立つ黄門さま一行の耳に木曽節の美しい唄が聴こえてきた。
<第844話>
着物を盗まれた黄門さまを助けたのは小さな馬子。彼は、昔父が仕えていた丹波の殿の機嫌を損ね離れ離れになった母に会いに行く途中だという。その母は、乳母として、姫の道中と共に大井の宿に。姫の脱走を機に、やっと母子の対面が叶う。そこに、身を持ち崩して黄門さま一行の着物まで狙った父が現われて…。
<第841話>
黄門さまが小諸で聴いた母子追分。夫の博打の借金代わりに遊女屋で働く女。その子供が病気になり、看病の為に夜逃げを計る。一方夫は、女を足抜きさせようと、飛脚を襲って百両を奪う。その金目当てに夫を狙う男達…。助三郎の尽力空しく、夫は十手持ちの悪人に殺されてしまったが、母子はもう二度と離れることはない。
<第842話>
祭りも近い下諏訪の町。名を変え潜むは殿の目付。それを見破ったのは、城下外れの暴徒から賄賂を受け取っていた藩士達。さらに“目付は格之進である”ということになり、彼までが命を狙われる。しかし、恍け続けた目付は、悪の根源を突き止め、機をみて妻の仇も討つ。晴れ晴れ目付に格之進。そして城下も同じく晴れ晴れ。