<第403話>
熱田から海路入った四日市で、廻船問屋の娘が何者かに誘拐された。だが、手代の様子がおかしいと気づいた黄門さまは、誘拐が娘の狂言であることを見抜く。実は娘の父親はニ年前に殺され、跡を継いだ叔父に不審を持つ娘の、真相を探る為の狂言だった。だが、その狂言で悪があぶり出され、娘たち誘拐一味に思わぬ危険が。黄門さま四日市湊の大掃除。
<第404話>
海女の女房の待つ鳥羽へ急ぐ出稼ぎの漁師・勝次は、戻ってみると網元殺しの手配者。その身を隠す手助けをする一行は、浜の利権を狙う悪が勝次に罪を着せたことを知る。一方、勝次は女房のおせんが親友の新八と恋仲との噂に逆上。だが、実はおせんは勝次を待ち続け、新八は友情からおせんを助けていた。美しい鳥羽の海を汚す悪を糺し、夫婦の縁を結ぶ黄門さま。
<第401話>
掛川で出会ったのは、「先生」と子供たちに慕われる浪人者の市之進。一方、剣術指南役の弓岡が鉄砲で撃たれる事件が。己が次男を指南役に据えようと企む次席家老の仕業に、弓岡はお役を返上。市之進を次席家老の息子と試合させ、勝った方を次の指南役にすることを藩重役に認めさせる妙手を打つ。だが市之進は同意しない。黄門さまは、市之進の過去に屈託があるのを見抜く。
<第402話>
村人が守る吉田の燈明台。寝たきりの村の婆様は、黄門さまを見ると元気になった。どうやら死んだ夫と勘違いしていると知って、黄門さまは夫の代わりをすることに。一方、新田開発を進める悪奉行が課す過酷な夫役に、村人たちは苦しみ喘いでいた。それが、私腹を肥やす為の悪企みと知った黄門さまは悪を糺し、仮女房のその死を看取る。
<第399話>
鎌倉に来た一行は、縁切寺の東慶寺で寺に駆け込んだ母を持つ少年と出会う。調べてみると、少年の父の雄之助と母のりくの仲は良く、別れる事情は見当たらない。雄之助は、駆け込んだ女たちの離縁が正当か審理する役所の侍。その妻が縁切寺へ駆け込んだとあって鎌倉中の噂に。実は雄之助の上役の代官がりくに横恋慕。ニ人にとって苦肉の策の駆け込みと知って黄門さまは…。
<第400話>
三島暦の美しさに魅了された黄門さま一行。紙問屋の蔵が火事で焼け、暦作りに欠かせない紙は焼失。三島暦が世に出せなくなる窮地に人々の苦悩は募る。火付けの場所に落ちていた暦修業の男の手ぬぐいが波紋を呼ぶ。その裏側に明石藩の命により帰国を余儀なくされた男と紙問屋の娘との実らぬ恋。火付けは仕組まれた事。暦師の毒殺をも謀る悪を懲らし、若いニ人の恋を結ぶ黄門さま。
<第397話>
将軍・綱吉に“牛乳酒”を献上した黄門さまは、その返礼に下された下総・銚子の濃口醤油の味に感心。製法を見たいと旅立つことに。その道中で知り合った醤油醸造元の主は気風のいい女。だが、夫は関東郡代の役人の不正に気づき謀殺。さらに女が匿う内偵中の正義派の侍も、命を狙われていた。全てを知った一行は、銚子湊の大掃除に乗り出す。
<第398話>
君津で一行は、海苔の養殖に取り組む庄屋夫婦に出会う。試行錯誤の末についに成功のきっかけを掴むが、悪徳商人が利権を狙って嫌がらせの数々。助三郎と格之進は、カッコ舞いの姿をかりて、悪人たちを追い払う。しかし、悪の根は深く、背後には藩の家老。庄屋とその協力者を捕らえ、海苔養殖の権利を無理矢理奪おうとする。
<第395話>
佐野で一行は天明鋳物の仕事場を訪ねるが、荒れ果てていた。名工・次郎兵衛は病気で、跡を継ぐはずだった息子・浅吉は、ある娘と夫婦になりたいと言い出したことから喧嘩になり、家を出ていた。その浅吉がその時駆け落ちした娘・おすみと共に帰って来た。おすみは“あの時の娘”というのは隠して次郎兵衛の世話をし、浅吉は仕事場を立て直そうと動き出す。
<第396話>
江戸に戻って来た一行は、大聖寺から旅して来た子連れの女・菊江と出会う。一方、弥七たちは、追手に付け狙われた侍を助ける。男は菊江の夫。大聖寺藩を脱藩し、携えていた江戸留守居役・金崎の悪行が書かれた建白書を奪われてしまった。だが、中身は白紙。金崎は、菊江が建白書を携えていると睨み、子供を誘拐する。