<第323話>
熊谷寺の門前町に来た一行は、ふじ屋と赤浜屋に分かれて宿泊。その夜、ふじ屋に幽霊が現れるが、格之進が石を投げて追い払う。どうやら赤浜屋が幽霊騒ぎを起こして、ふじ屋を乗っ取ろうとしているらしい。さらに主人の久助には、赤浜屋への借金が。黄門さまは久助と妻のお弥栄に心中をするように勧めるが…。
<第324話>
安中宿へやってきた一行だが、町には人の姿はなく、賑わいがなかった。かつては大きな絹物問屋だった店の娘、お久美から話を聞くと、とんでもない町奉行が赴任してきて、悪人を操り自分の懐を肥やそうとしていた。身の危険も顧みず、悪人の企みを暴き安中に平和を取り戻そうとする娘の志に感動した黄門さまは、安中宿の大掃除に取り掛かる。
<第321話>
格之進が忍び集団に襲われている娘を助けた。娘は記憶をなくしていたがその元結から、加賀藩老女翠香院の使いの香織と分かる。一方黄門さまは、袋田の湯で、加賀藩首席家老郷田頼母が放った刺客、くれないお蓮に襲われる。加賀百万石に大事が出態したことを知った黄門さま、金沢に向けて23度目の旅立ち。
<第322話>
大宮宿へ向かった一行は、薬草採りをしていた女医・千加と出会う。その父・弥市は元鷹匠。生類憐みの令により鷹狩りができず、酒浸りの毎日。一方、悪代官は千加に横恋慕。思いをとげるために弥市に殺人の濡れ衣を着せ、千加をおびき出すため町辻に晒す。怒りを爆発させた黄門さま一行、暗闇祭りの夜、悪を討つ。
<第319話>
様々な街道が集り人や物の集散も盛んな宇都宮の町にやって来た一行は、それにふさわしく元気な娘飛脚に出逢う。工夫をこらしたやり方で先代の後を健気に切り盛りする飛脚屋の女主人に感心した黄門さま。藩御用の鑑札を狙う商売仇の嫌がらせを何とかしようと、二つの飛脚屋に駆け競べをさせようと案じ、早速殿様に手紙を書くが…。
<第320話>
江戸に入った黄門さまを迎える為に水戸から出府して来た家老・山野辺兵庫は、刺客の集団に襲われた大奥勤めの娘を助ける。一方、上屋敷に向かう途中に大奥の御広敷番が斬殺されるのを目撃した黄門さま一行は、その遺体からご禁制の猫目石を発見する。大奥に巣喰い始めた抜け荷の大事を察した黄門さまが、水戸藩の進退を賭けて評定の場にのぞむ。
<第317話>
江戸での道場仲間との再会に胸を弾ませ一足先に白河へ入った格之進に、旧友は土産も受け取らずに帰ってくれと言う。気落ちしたままだるま問屋に身を寄せた黄門さま一行と合流するが、そこであらゆる物産が一手買上げという逼迫した藩の財政を耳にする。頑なな旧友の態度と関わりがあるのではと案じるがすでに旧友は謀反人として脱藩していた。
<第318話>
初詣に訪れた日光東照宮で名工左甚五郎らしい男と連れ合った黄門さま。折しも東照宮の修復工事を控え土地の大工が争っていることを知り、金はないが生一本の棟粱に甚五郎を推挙する。金ずくで日光奉行に取り入る競争相手の腹黒さに修復を請け負った加賀の殿様と甚五郎、そして黄門さまが力を合わせて権現様の御廟所を守り抜く。
<第315話>
凶作に見舞われた村の再建に懸命に尽くす庄屋が役人に召し捕られるところに居合わせた黄門さま。一方弥七は病身の女と子供の道中を助け新発田の悪人の親分を訪ねるが、そこで弥七こそ母子の敵と決めつける。どうやら弥七そっくりの股旅者が女の夫を殺したらしい。二つの事件の背後に繋がりを感じた黄門さまがどす黒い欲を叩き潰す。
<第316話>
会津城下を前に立ち寄った湯宿で、謡を通じて黄門さまと気が合った老女の息子は、無役ながらもお家第一の誠実な人柄。藩政に対し真摯な意見書を何度も提出し、かえって煙たがられていた。桐下駄作りの内職をして健気に支える妻にしのびよる悪家老の陰謀を察知した黄門さまが、すててはおけぬと乗り出して、決死の覚悟の直訴を手伝う。