<第293話>
熊野本宮に詣でた黄門さま一行は、八兵衛が獣穴に落ちたのがきっかけで、娘を次々と攫う天狗騒動に巻き込まれる。一行が泊まった材木問屋のわがまま娘に届いた天狗のお告げに、娘の身代わりとなったお銀が乗り込んだ天狗の巣窟で見たものは。そして攫われた娘達は一体どこに連れ去られるのか。目指す和歌山を目前に黄門さまの偽天狗退治。
<第294話>
道なき道を辿り秘かに紀州領に入った黄門さま。だがすでに百合の父・国家老安藤陳武は謀叛の罪を着せられ幽閉の身となっていた。はやる心で城下に出た百合も捕えられ、救出に向かった一行を待ち構える皆殺しの陰謀。罠を察知した弥七は黄門さまをかばい重傷を負う。将軍家跡目を巡る争いにまで及んだ次席家老の謀略は果たして粉砕出来るか?!
<第291話>
岡崎城下へやって来た黄門さま一行は御前花火を目前に控え、青い花火作りに情熱を傾ける花火師の夫婦に出逢う。競争相手の花火師による花火小屋の爆破や、鉄砲奉行の横槍。それにも屈せずひたすら夢に賭ける夫婦に一行も総がかりで応援するが、御前花火のその日、岡崎城内には黄門さまを狙う忍びの一味による巨砲の罠が待ち受けていた。
<第292話>
桑名城下を前に旅廻りの女歌舞伎の一座と知り合った黄門さまは、何やらいわくあり気な太夫の身の上が気になり一座の興行に加わった。案の定、十年前に太夫の親に濡れ衣を着せて店を取り潰し、死に追いやった悪の一味は黄門さまを狙う忍びと手を結び、あの手この手で芝居の邪魔を。その手は桑名の焼蛤と黄門さまがうった仇討ち狂言。
<第289話>
大井川を前に理不尽な川止めにあい身動き出来なくなった黄門さま一行は、やはり川止めで仕事にあぶれ土地の悪者と大喧嘩している川人足とその息子に出会う。頻繁な川止めで、したたかに金儲けをする代官等のやり口を知った一行は、いわくつきの縁談が嫌で江戸屋敷から脱出して来た姫君を助ける為に禁を破って川を渡ることにした。
<第290話>
浜松名物の鰻屋で一行が出逢ったのは、子を失った哀しみで酒と博打に溺れる竹細工職人と、それを健気に支える女房。見捨てておけず賭場に乗り込んだ黄門さまだが、イカサマの餌食となっている間に宿に残した百合が忍びに襲われ危機一髪。更には職人を巡る藩公御用達の茶室工事に絡む悪計を知った黄門さまが目には目をと打った大博打。
<第287話>
天下の嶮・箱根にさしかかった黄門さまは関所役人と結託した駕籠屋の横暴を目にする。不審を晴らそうと芦の湯の温泉場に入った一行が泊まったのは神君家康公のお墨付きを有する、かつては芦の湯一番の湯元でありながら今では幽霊が出るというさびれた宿。欲に絡んだ悪党共の企みを暴く為、一計案じた黄門さまが自ら幽霊に扮しての大芝居。
<第288話>
藤枝宿へ入った途端に、名物の染飯の食べすぎで腹痛を起こした八兵衛。折り良く通りかかった大店の娘の家に身を寄せたことから、藩の剣術指南役を巡る争いに巻き込まれる。藩重役を後楯にした新興道場が企んだ卑劣な闇討ち。そして失明寸前の身で道場を守ろうとする師範代の覚悟に心打たれた黄門さまが、怒りに燃えての大立ち廻り。
<第285話>
穏やかな西山荘での日々を過す黄門さまのもとに突然もたらされた将軍家跡目争いの報せ。候補に上った紀州和歌山五十五万五千石の藩主に黄門さまが異を唱えているという奇怪な噂に、命を賭けて真偽を確かめるべく国元を出奔して来た紀州家筆頭家老の娘・百合。周到に張り巡らされた陰謀を粉砕する為、暗雲渦巻く紀州への旅が始まる。
<第286話>
将軍綱吉に旅立ちを告げようと一路江戸に向かった一行は、早速佐倉の宿で忍びの襲撃を受ける。足を傷めた百合の介抱の為に身を寄せた庄屋の家で、折しも印旛沼の干拓工事に駆り出された夫役の百姓達が一揆寸前の状態にあることを知った黄門さま。決死の覚悟で直訴に赴く庄屋を助け、私腹を肥やす代官を懲らしめる、世直し旅の第一歩。