<第273話>
伊丹に入った黄門さま。銘酒で御機嫌になったところで宿の番頭に誘われて行った賭場だが、居合わせた造り酒屋のツキに乗ったつもりが見事にはずれてスッテンテン。路頭に迷った黄門さまを泊めてくれたのがその造り酒屋の娘だった。実はこの博打が、酒屋の身代を狙ったイカサマとわかり怒った黄門さまが借金の証文を取り戻す為に大博打を。
<第274話>
彦根城下に近い農村で天台宗の名刹を訪れた一行は、そこに歓楽街を造ろうと企む悪徳商人とならず者達の横暴を目にする。村を守る為に立ち上がった百姓達と寺の僧侶の姿に心打たれた黄門さまは寺に泊まって様子を見ることに。折しも昔、寺の門前に捨てた我が子を捜し彦根を訪れた旅の女が攫われた。旅の女は僧侶の母親だったのだ。
<第271話>
龍野の城下に入った途端、いがみあう二軒の旅篭の本家と元祖に二分された黄門さま一行。この争いで引き裂かれた本家の娘と元祖の伜は心中騒ぎを起すほどのもつれよう。その元凶が次席家老を後ろ盾に持ち、藩の世継ぎ問題まで口出そうとする女占い師の存在と聞き、一計を案じた黄門さま。お銀を女占い師に仕立て、城中での大芝居。
<第272話>
福知山を目指す黄門さま一行が見た由良川の川巾を拡げる三年掛りの大工事普請。そこを取りしきる代官は鬼と呼ばれ村人達に怖れられていた。しかし現場で人足達を叱咤しながらも共に汗を流すその姿に農民を思う熱い心を感じた黄門さまが、自ら人足に紛れこみ実態を探った時、代官の上に立つ作事奉行の工事金横領の事実が明るみに…。
<第269話>
丸亀の船着場で黄門さまの財布を掏ろうとしたコソ泥は、実は讃岐一のうどん屋を十五年前に家出した跡取り息子。黄門さまを大泥棒の親分と勘違いしたその男を何とか堅気に戻そうと黄門さまは一行に加える。一方お銀と飛猿はうどん屋に放火しようとした悪人に出会う。うどん粉の利権を巡る悪企みの真只中で黄門さま一行も黒装束で大活躍。
<第270話>
備中松山を訪れた一行が目にしたのは、過酷な砂鉄採掘の夫役狩りに逃げまどう領民達。助三郎・格之進が飛び出す間もなく、どこからともなく現れた謎の白頭巾が領民を救う。一方、城下で神楽面職人の家に身を寄せる切腹した元藩士の娘と知り合った黄門さま。砂鉄の精錬を隠れ蓑に、鉄砲の密造を企てる無法に白頭巾と共に立ち向う。
<第267話>
大洲城下を前に、助三郎とお銀が見つけた閻魔堂の中で泣いていた赤ん坊。慣れぬ手つきで世話するはめになった黄門さま達だが、なんとこの赤ん坊、次席家老と筆頭側室の陰謀で毒殺されかかり城外に脱出した大洲藩の一粒種の和子だった。忠義の腰元を助け、藩内に巣喰った悪党の奸計を打ち破る為黄門さまが授けた一計とは。
<第268話>
生憎の雨にたたられた一行は、今治宿近い荒れ寺に一夜の宿を請うが、住職らしい盲目の琵琶法師は平家の亡霊に祟られた寺という理由で一行を脅す。一方助三郎が助けた旅の娘は、その荒れ寺に寄宿している謎の男の妹で何やらいわくあり気な様子。不思議な亡霊騒ぎに困窮する漁師の話を聞き更に不審を抱いた黄門さまは幽霊の正体を暴こうと…。
<第265話>
稗搗節の里・延岡で一行が出会ったのは、鬼と呼ばれながらも五人の子供達と共に懸命に働く母親。母子の悲願は、大恩ある乾物問屋の若旦那が抱えた多額の借金の返済を助けること。しかしやっと貯めた返済金も椎茸の一手販売を目論む悪徳商人と勘定奉行の差し金で盗まれてしまう。母子の健気さに心打たれた黄門さまが悪計を阻む為に立ち上がる。
<第266話>
宇和島の港に着くや、てんぷらを巡って大喧嘩。黄門さま、八兵衛と別れた助三郎と格之進だが皮肉にも偽黄門さまのお供に雇われる。かつて悪政を施いた家老を斬って逐電したこの老人が、今再び漁師に横暴を働く悪網元と郡奉行を懲らしめようと命を賭けた大芝居。心を察した黄門さまも、偽黄門さまに調子を合わせ漁師に扮して宇和島城下の大掃除。