<第303話>
日本で唯一の貿易港を有する長崎を訪れ、爆竹とお囃子で賑わう竜踊りの雑踏で怪我をしたカステイラ屋の娘を助けたことから年に一度のカステイラ祭りを見物することになった黄門さま一行。味の工夫に苦しむ若い職人を助けながら、老舗を乗っ取ろうとする廻船問屋と和蘭商人の悪企みを粉砕する、異人服に身を包んだ一行の大活躍。
<第304話>
長崎街道一の賑わいを見せる黒崎宿では代官と組んだ悪人の親子がやりたい放題。頼りになる筈の土地の目明しは、妻を亡くした哀しみから生さぬ仲の孝行娘の心配もよそに酒浸りで全く役に立たない。見兼ねた黄門さまの説得に、男が正義の十手を振う誓いをした時娘が攫われた。助三郎と格之進も十手をかざして大活躍し、黒崎宿の大掃除。
<第301話>
日本南端の大々名、島津家七十七万石の城下に入った黄門さまは、逼迫した藩の財布を立て直した名家老の噂を聞く。折しも泥田の中で大島紬の泥染めに精を出す武家の老婆と孫娘に出会い、その藩を思う真情に心打たれるが、なんと老婆の息子が公金を横領して逐電したとの報せが。真の藩政改革の道を示した黄門さまの温情溢れる裁きが下る。
<第302話>
島原に向かう一行は、卵泥棒をして農民達に折檻されている一人の娘を助けた。娘は捨て子で地蔵堂に一人住んでおり、自分が美人ではないから村人に嫌われていると思い込んで悪さばかりしていた。笑顔をわすれず人に尽くしていけば必ず綺麗になると、黄門さまに教えられ早速実行に移すがその行動が思いがけず鉄砲の密輸を暴くことになって…。
<第299話>
広島城下に入った黄門さまは、楽しみにしていた銘酒の味が落ちてしまったことに不審を感じる。一方お銀と道連れになった薬屋はなんと夜烏の千太郎という大泥棒で、取り潰された銘酒の醸造元を五年前に出奔した跡取り息子だった。復讐を誓う千太郎に助力を申し出た黄門さまだが、真相を探ろうと奉行所に乗り込み、却って捕われの身に…。
<第300話>
湯の町・別府にやって来た途端に財布を盗まれ旅篭で働く羽目になった黄門さま一行。悪人を使って嫌がらせをする向かいの旅篭に負けまいと張り切って客引きをするが、健気な女将を疫病神扱いする姑の心はほぐれない。一方、主である夫は向かいの旅篭が仕組んだイカサマ博打の借金に苦しんでいた。黄門さまの風呂番が悪者共を懲らしめる。
<第297話>
室戸岬の兜島に船幽霊が現れるという噂を耳にした黄門さま一行。海沿いの大師堂で顔中繃帯で包んだ異相の男をみてしまった八兵衛はすっかり怖気づくが、黄門さまは裏に何かあるとにらみ、探りを入れる。一方格之進は二年前に海の藻屑と消えた筈の息子をひたすら待つ老婆に息子と間違われた。浜の平和を取り戻す為、黄門さまの幽霊退治。
<第298話>
松山城下を目指す街道で出逢った健気な少年馬子の家を訪れた黄門さま一行。そこには、年貢が払えず逃散した親に置き去りにされた子供達と、直訴をして手討ちになった庄屋の娘が姫だるま作りをしながら助け合って暮していた。領民を苦しめる悪政をしく藩内の黒幕を暴く為に、若い殿様を城外に連れ出して黄門さま直伝のお微行指南。
<第295話>
紀州家の騒動を解決し心も軽く漫遊への一歩を踏み出した黄門さま一行は、悪人たちに追われる賭場荒らしの男を助けた。素寒貧になった男が頼みとするのは大坂の米問屋の番頭に出世した弟。だがそこにも御所への献上米を利用し、私腹を肥やそうとする悪と結託した悪者の手は伸びていた。商いの町大坂で、人の心の欲を叩き潰す黄門さま。
<第296話>
阿波徳島へ渡った一行は、父母を訪ねて一人で江戸から旅して来た幼い娘巡礼と出会う。黄門さまの計らいでやっとめぐり逢えた父母は名産藍玉に絡む藩重役の不正を暴く為に、おたずね者の汚名に甘んじながらも人形浄瑠璃の一座に潜み時を待つ身。誠の忠義を貫く父母に健気な娘が、それと知らずに携えて来た江戸からの重大な密書とは…。