<第1116話>
木曽の山中で助けた年配の木地職人は、幼い子供と亡き親方の娘との三人暮し。その職人に助三郎が道連れとなった渡世人が親の仇と斬りかかった。男の胸に秘めた苦しみを察した黄門さま、仇同士の間に立ち、事の真相を突き止めて男の無実を晴らし、代官一味の悪巧みを叩き潰す。名月の御岳山に流れる木曽節が人々の胸にしみ渡る。
<第1117話>
祭りが近い郡上八幡の城下で助三郎が助けた芝居興行元の娘。彼女が胸に抱く面影は助三郎に瓜ふたつ。その人は、なんと黄門さまが道中で出会った旅の人気役者。不思議な縁に結ばれて芝居小屋乗っ取りを企む悪者一味と対決。罠に嵌って牢に入れられた本物に代わって、助三郎が舞台をつとめる勧善懲悪、世直し芝居の幕が開く。
<第1114話>
甲府城下で弥七に助けられたドジな泥棒が、親の仇と狙う両替商と勘定奉行が手を組んだ隠し金山の秘密。店を潰された泥棒の母と妹の悲しみを知った黄門さま、自ら盗賊の大親分に化けて悪者退治に乗り出したが、その矢先に志乃と娘が捕えられ、危機一髪。黄門さま一行が黒装束に身を固め、敵の本陣に乗り込んでの大活躍。
<第1115話>
信州諏訪の城下で助けた水もしたたる若衆、次の出会いでは何と町娘姿。執拗に襲いかかる忍びの魔手から救ってくれた格之進を、娘は兄と間違えた。不穏な気配の漂う城下に流れる尺八の音。見え隠れに娘を見守る謎の虚無僧。兄の死の真相を探る妹を助けて、悪者一味の前に現われた四人の虚無僧の正体は―。
<第1112話>
西山荘に戻った黄門さまだが、相変わらずの元気振り。遠足を始めたはいいが、雨に降られて風邪をひき込んでしまう。一方江戸では、将軍の跡目をめぐって甲府の綱豊侯と高松の頼常侯の間に不穏な噂が流れていた。実子頼常の一大事と、家老山野辺兵庫の制止も振り切り、病み上がりを押して再び旅立つ黄門さま。目ざすは四国、高松藩―。
<第1113話>
八王子宿で意地の張り合いから黄門さま、志乃、八兵衛と、助三郎、格之進が別々の宿に。宿の娘のけなげさに打たれた助三郎と格之進、客引きを買って出る。一方、どんちゃん騒ぎの黄門さま達は一文無しがバレ、天国から地獄に。宿の娘に目をつけた道中奉行と志乃を狙う代官を、風呂番に化けた黄門さまが、折れて来た助三郎、格之進とともに懲らしめる。
<第1110話>
下総佐倉の城下で、格之進が再会を楽しみにしていた友人は武士の魂を捨てて何と悪人の用心棒に変りはてていた。だが、あいかわらずの剣の冴えに、友を固く信じつづける格之進は苦悩する。そんな格之進を拒絶する友。悪城代家老のお家乗っ取りの陰謀渦巻く佐倉の城下で男の友情を手助けして黄門さまが悪を滅ぼす大活躍。
<第1111話>
故郷水戸も間近い土浦で留守番の志乃を気づかう助三郎が水戸に向った後、黄門さま一行は岩槻藩の内紛にまき込まれてしまう。殿様が不在中、城代家老を押込めて権力を一手に握ろうとする重役一味と正義を守ろうとする必死の若侍の闘争。裏切られて苦境に立たされた若侍達を助けて、黄門さま人形造りの名所・岩槻での大活躍。
<第1108話>
相模の国、鎌倉彫の名人の仕事場を見学に立寄った黄門さまの目の前で一番弟子の破門騒ぎ。頑固一徹の名人かたぎの父と破門された弟子にひそかに恋する娘の苦しみ。弟弟子の真心を踏みにじる代官一味の悪だくみを知った黄門さま、放ってはおけぬと一肌ぬいで後だて。師と弟子達の心を一つにして、見事名作を完成させる。
<第1109話>
房州館山で、少年に案内された宿は落ち目となってしまった網元の家だった。漁業の権利と娘の両方をねらう色と欲との悪党が代官と組んで横車の悪業。そこに現れた渡世人が何と弥七と瓜二つ。間違えられた弥七が牢に入れられてしまった。黄門さまの作戦にキリキリ舞いの悪党一味を見事に退治して明るい漁場を取り戻す。