<第729話>
黄門さま一行は弘前へ。道中、八兵衛がうたた寝をしている間に黄門さまが行方不明になった。互いに相手を非難する助三郎と格之進は仲たがいをし、別々に黄門さまを探す事になった。さて、黄門さまは景色をながめている時、足を滑らせて崖から滑り落ち、太助と又三という頼りない山賊に助けられた。二人が持っていた謎の絵地図を見て、黄門さまはそれに宝の在り処が記されていると見抜く…。
<第730話>
黄門さま一行は久保田へ。その頃、久保田の山中でマタギの作造と孫娘のおさとは、輸送中の藩の重要な特産品である銅が、黒装束の一団に奪われる現場に遭遇した。作造は一団に殺されるが、おさとは生き延びた。恐怖におびえるおさとを風車の弥七が救う。だが、おさとは恐ろしさのあまり、言葉を失っていた。弥七に託されて、助三郎、お娟がおさとを保護する。
<第727話>
黄門さま一行は平泉へ。一行は親切な村の娘、お花と出会う。兄を亡くし一人暮らしのお花は、庄屋、宇兵衛の娘、お美代と姉妹のように仲がよい。山仕事の帰り、お花は刀傷を負った男を助け、お美代の家の蔵にかくまう。山賊に襲われたと語る男を、お花とお美代が秘かに介抱する。そのころ平泉では過酷な年貢の取り立てに人々が苦しんでいた。代官の岡部武太夫が大前屋と結託し、私服を肥やしていたのである。
<第728話>
黄門さま一行は盛岡へ。一行は旅役者の市川光右衛門と助八、角兵衛に出会う。光右衛門は、一座の座頭だったが、人望がなく他の座員には逃げられてしまった。盛岡には光右衛門の生家で南部鉄器の問屋、尾嶋屋がある。四十年前、役者にあこがれて家を飛び出した光右衛門は、やっと故郷に錦を飾れると楽しみにしていたのだが、座員も金もなく腹をすかして途方にくれる。
<第725話>
黄門さま一行は山形へ。一行は腕の立つ美人剣士、時枝美雪とその従者、小谷平作と出会う。美雪は、最近急死した父が婿にと勧めていた父の部下、湯沢作之進に会い、剣の立会いをしてその人物を確かめるという。二人は剣を交え、美雪が勝った。平作は作之進に好感を持つが…。その頃、勘定奉行の沼尻三太夫は紅花問屋、黒木屋と結託して紅の商いを独占させて、私腹を肥やそうと企んでいた。
<第726話>
黄門さま一行は松島へ。魚市場をのぞいた黄門さまはうっかり魚網に腰を降ろし、威勢いい女網元の紀代にひどく叱られる。紀代は伊達政宗から漁を許されて受けて以来、代々続く漁場を守り続けている。紀代は親からはぐれた子供たち四人と暮らし、実の母のように慕われている。水揚げが豊かな紀代の漁場に別の網元、五郎丸権蔵が目を付け、紀代に漁場を譲るようしつこく迫る。
<第723話>
黄門さま一行は日光へ。行方不明の兄を探している旅の娘、お紋と知り合う。宮大工だったお紋の兄、佐吉は、助三郎によく似ているという。三年前、日光東照宮の修繕のために故郷を出た佐吉は、それ以来帰ってこない。その後母親が死んだことも兄は知らないとお紋は悲しそうな表情を見せる。お娟はお紋と一緒に湯に浸かって旅の疲れを癒しながら、黄門さまがきっと佐吉を探してくれるとお紋を励ますのだった…。
<第724話>
黄門さま一行は会津へ。一行は、旅に同行しているお千代の叔父・喜兵衛が営む漆物問屋を訪ねる。そこで喜兵衛がもつ長家の浪人、菅谷新八郎と芳太郎父子と知り合った。貧しい身なりの新八郎を、かつて同僚だった藩士たちはさげすみ乱暴する。しかし、何の抵抗もできない新八郎を芳太郎は情けなく思っている。芳太郎は、父を守るために剣術を教えて欲しいと、助三郎と格之進に訴え、二人を相手に激しい稽古に挑む。
<第721話>
黄門さま一行は堺へ。堺では神社修繕のための富札が売られ、賑わっていた。黄門さまも宿の女中、お秀から強引に札を一枚買わされた。富札は、たった一人になんと一千両が当たる。抽選が行われる境内は、札を握り締めた人々で溢れていた。助三郎、お娟、新助と早月の隣には旅の男、与之助の姿もあった。そして運命の抽選。高らかに読み上げられたのは…?
<第722話>
諸国漫遊の旅を終え江戸に帰ってきた黄門さま一行。許婚の橋場大二郎との再会と婚礼を楽しみにしていた早月は、早速、橋場の屋敷を訪ねる。その頃、夜桜見物に出かけていた大二郎は、廻船問屋・垂水屋の蔵から三千両が盗み出される現場に遭遇する。大二郎は賊の一味と誤解されて捕らえられ、自宅謹慎の身となった。嫌疑が晴れなければ婚礼ができないと、早月と兵庫はなす術もなく右往左往するばかり。