<第639話>
黄門さま一行は金沢へ。黄門さまの姉・明芳院の孫、加賀藩前田家の若君・利久と京都所司代の息女・菊姫の婚礼がこの地で行なわれるためだ。加賀へお国入りする途中、菊姫は供侍たちを手玉にとって行列を抜け出した。窮屈な婚礼前に最後の自由な時を過ごしたいと無邪気に話す菊姫を、加賀藩の隣国、大聖寺藩の刺客が襲う。間一髪、お娟と鬼若が駆けつけ、姫を保護する…。
<第640話>
黄門さま一行は福井へ。一行は見世物小屋の小屋主・庄兵衛と音二郎たちと知り合った。庄兵衛は人々が喜んでくれる小屋の仕事に生き甲斐を感じている。黄門さまと別行動のアキと鬼若は、道中熱を出して難儀をしていたおちかに出会う。おちかは弟・三太と共に越後獅子の軽業で稼いでいる。おちかを休ませるため、アキが三太と組んで軽業を披露することに。
<第637話>
富山に着いた黄門さまは、腹痛を起こし、助三郎に連れられて町で評判の医者を訪ね、美人女医の板垣綾の診察を受ける。幸い症状は軽く、黄門さまは次第に回復する。綾は腕はいいが、その性格から猪突猛進だとあきれている。だが、貧しい怪我人、病人からは金を取らず、けんかに強いので、町の人々から何かと頼りにされているが…?
<第638話>
黄門さまは印籠を作った若月泰山を訪ね輪島へ。ところが輪島では、代官の塚本典膳が輪島塗を藩の専売にすると偽って私腹を肥やそうと企んでいた。塚本は、特に高価な泰山の作品を一手に売り捌きたいと考えているが、泰山は塚本のよこしまな計画を見抜き、断った。度重なる塚本の嫌がらせに泰山たちは困り果てていた…。
<第635話>
黄門さま一行は、信濃の善光寺へ。山門近くの寺子屋をのぞいた黄門さまは、利発な亀吉が元気に勉強をしている姿を見て感心した。黄門さまの隣で亀吉の父親・松五郎も隠れるようにして授業の様子をながめていた。松五郎が語る亀吉の自慢話を微笑みながら聞く黄門さまだったが、実は松五郎の家族が幸せではないことを知る…。
<第636話>
糸魚川へ向かう黄門さま一行は、塩を運ぶ人足の歩荷が行き来する塩街道を通る。だが、歩荷の姿が見当たらない。黄門さまが不思議に思っていると、山賊が現われ、先を歩いていた歩荷の一行を襲う。助三郎と格之進が山賊を蹴散らしたが、歩荷の一人・ともゑは、逃げる山賊の中に久吉の姿を見つけ追いかけるが久吉は山中に消えた。
<第633話>
水戸の西山荘で晴耕雨読の日々を送っていた黄門さまに、姉の明芳院の孫・利久と、菊姫の婚礼が金沢で行なわれると知らせが。明芳院からは簡素に行なうので出席しなくてもよい、とつれない便りであった。一方、助三郎の母・静枝は、竹造から日光へ招かれる。旅立ちのきっかけを失って落胆していた黄門さまは、婚礼の無事を祈願するという名目で静枝に同行し、そのまま金沢へ向かう。
<第634話>
黄門さま一行は、高崎へ向かう道中、生糸問屋絹川屋の女主人・おさきが人足たちに襲われるところに遭遇する。おさきは、跡取り息子の喜太郎が作った五千両の借金を返すために工面した金を持って、高崎へ帰る途中だった。黄門さまと同宿して、旅籠で静養することになったおさきは、そこで働く幼いお千代に会って驚いた…。
<第631話>
黄門さま一行は中津へ。一行は廻船問屋豊田屋の主人・徳二郎とその娘・おみつと知り合った。おみつは気まぐれのわがままで、徳二郎は手を焼いている。おみつの母と兄弟は亡くなっており、徳二郎とおみつはこの世でたった二人の家族だが、徳二郎は娘にどう接したらよいものか分からないと、黄門さまに悩みを打ち明けるのであった。
<第632話>
黄門さま一行は博多へ。一行は、ガキ大将たちが、少年・修太郎をいじめているところに遭遇する。すると、力自慢の元気者・富五郎が現れ、修太郎を救う。富五郎は、博多人形作りに重要な粘土を掘り出して運ぶ職人である。ところで、鬼若とアキが、道中血塗られた印籠を拾ったことから、黄門さまは次席家老の外崎掃部が廻船問屋・西海屋と結託して、ご法度の抜け荷で私腹を肥やしていることを知る。