<第699話>
黄門さま一行は江戸へ。志保が医学の師、道庵と再会し、道庵の元で医師の修行を続けることに。一方、そのころ大奥では夜警中のお端下、おそでが不審な死を遂げていた。大奥には幽霊が出るという噂もある。側室たちの世話をする、表使いの滝川の計らいで道庵がおそでの検死をしたところ…?
<第700話>
黄門さまは、西山荘で大日本史編纂の作業を進めていた。水戸藩の元家老、山野辺兵庫とその孫娘、早月が黄門さまの身の回りの世話をしているが、口うるさい兵庫に助三郎と格之進はうんざり。ある日、早月は江戸に将来を誓った人がいると告白し、みんなを驚かせる。しかしその直後、思いを寄せる橋場大二郎から約束を忘れてくれとの手紙が届く。早月は大二郎の真意を確かめるため、江戸へ向かう。
<第697話>
小田原に着いた黄門さま一行は、評判のよい旅籠「真砂屋」に宿泊する。真砂屋を取り仕切るのは、さよという若い女将。さよは弟の良太郎に旅籠の跡をついで欲しいと願っているが、良太郎にはその気はなく、大好きなからくりの工夫を考えながら、街外れの寺に住み込んでのんびり暮らしていた。
<第698話>
黄門さま一行は鎌倉へ。鎌倉の観光地図を売っている少女、茜の案内で楽しく名所を見物する。茜は縁あって浪人の伊原源三郎と助け合いながら古寺で暮している。茜はおえんという母親が時々旅先から送ってくる手紙を楽しみにしているが、それは実は源三郎が書いたものだった。ところで鎌倉ではその頃、連続して放火が発生していた…。
<第695話>
黄門さま一行は修善寺へ。一行は能面作りの名人、六兵衛とその息子、圭吉と出会う。六兵衛は能面は役者が使ってこそ真価を発揮すると考えており、飾り物の面は一切作らない。圭吉はそんな父親のせいでに母親が早死にさせられたと思い込んでおり、父を恨んでいる。圭吉の幼なじみの照葉は反目する父子を心配している。お娟と志保も父子を仲直りさせるいい方法はないものかと思案する。
<第696話>
黄門さま一行は下田へ。一行は船人足の太吉、お君夫婦と知り合った。お君に子どもができたことが分かり、太吉は喜ぶが、それ以上に、夫婦の近所に住むひとり者の留吉がうれしそうだ。太吉は留吉こそがお君が幼い頃別れたままになっていたお君の実の父親、竜三ではないかと気付いた。そんなある日、太吉の家に大金が入った袋が投げ込まれた…。
<第693話>
黄門さま一行は駿府へ。一行は将軍家から拝領した棗を家宝として大切に蔵に保管しているという、老舗の茶問屋主人、柿島屋儀兵衛と出会う。儀兵衛の一人娘、おしのは五年前、店の使用人、勘六と駆け落ちして行方が分からなかったが、儀兵衛が大病を患ったと聞き、勘六と二人で見舞いのために帰ってきた。
<第694話>
黄門さま一行は三島へ。黄門さまは二人連れの旅人、おかねと十歳の少年、長吉と出会う。二人は母子ではなく、長吉は死んだ知人の子だという。おかねは詐欺師で、長吉と組んで人をだまして稼ぎながら旅を続けており、いつか居酒屋を開くという夢を持っていた。一行と、おかねたちは「ふじ芳」という三島でも評判のよい宿に泊まることになった。
<第691話>
黄門さま一行は諏訪へ。年配の侍、坂田伝右衛門と出会った。伝右衛門は四十年も昔に許嫁だった、高岡美津世が困っていると知り、はるばる諏訪に駆け付けた。勘定方で働く美津世の孫、清四郎が出奔し、行方が分からないと風の便りに聞いたからだ。お人好しの伝右衛門は、頼まれもしないのに清四郎の捜索に乗り出すが…?
<第692話>
黄門さま一行は、志保の育ての親で、銀鉱石を持ったまま行方不明になっていた伊之助を追って甲府に到着した。志保と再会した伊之助は、自分が原因で藩が争いに巻き込まれたことを侘び、志保からは、志保の兄がその争いの中で命を落としたことを聞き驚いた。伊之助は、鉱石を腕利きの山師、清三郎に鑑定を依頼したが、銀はほとんど含まれていなかったと黄門さまと志保に報告する。