<第709話>
黄門さま一行は佐賀藩の伊万里に着いたが、町は活気がない。絵付けの仕事を見学するため、焼き物問屋を訪ねた黄門さまは、主人の嘉兵衛とその娘・お園から、最近絵付け職人を襲う化け猫が出ると聞き、驚いた。その頃佐賀藩では世継ぎ争いが起こっていた。藩主の弟を推す筆頭家老、宇佐美治兵衛と、側室・初音が生んだ藩主の子を推すもう一人の家老・大垣豊後が激しく対立していた。
<第710話>
長崎に着いた黄門さま一行を、早速刺客が襲う。事なきを得たが、一行に緊張が走る。長崎奉行は二人制で、一人は早月の許婚・橋場大二郎の兄、橋場善明で、もう一人の永井左衛門が廻船問屋の寺田屋茂兵衛と結託して密貿易を行い、その莫大な利益が老中・柳沢吉保の資金源となっていた。
<第707話>
松山に着いた黄門さま一行は「山水」という旅籠に泊まることに。亭主の清之助は頼りないが、女中のおさわが働き者で宿の仕事を切り盛りしている。お娟と早月も早速宿自慢の温泉につかり旅の疲れを癒す。そこへおさわの父で竹細工職人の五兵衛が現れ…。五兵衛はおさわを後継者として育てていたが、父娘喧嘩の末におさわは家を飛び出していた。松山に娘がいるという噂を聞き、連れ戻しに来たのであった。
<第708話>
黄門さま一行は博多へ。その途中一行は唄うたいの旅烏・千次郎と知り合った。千次郎は諸国を渡り歩いて各地の民謡を覚え、それを披露しながら金を稼いで旅をしている。千次郎は一行に意外な頼みごとをする。それは千次郎が大店の主人であるかのように黄門さま一行に振る舞って欲しいということであった。黄門さまはその頼みを承諾し番頭に、助三郎と格之進は手代に扮することになった。
<第705話>
黄門さま一行は赤穂へ。赤穂では最近物価が急騰し、人々の生活が苦しくなっていた。一行は廻船問屋・播磨屋平左衛門の娘、おゆきがごろつきに絡まれているところを助けた縁で、播磨屋に投宿することとなった。赤穂は製塩が盛んで栄えているのではないかと訪ねる黄門さまに、平左衛門は、最近は商いもはかばかしくないと表情を曇らせる。若い船頭頭の吉蔵も仕事が減り、おゆきは心配を募らせていた。
<第706話>
黄門さま一行は幕府直轄の倉敷へ。倉敷の新任の代官、結城新三郎は、身分を隠して倉敷に入り、人々の暮らしぶりを調べていた。そのことを知った黄門さまは感心し、新三郎は助三郎をお供に町人に扮装して町の中を探索する。すると代官所の役人、横尾十内と岩崎仙蔵が両替商の桐島屋善兵衛と結託して米の横流しを行ない、私腹を肥やしていることが判明した。
<第703話>
黄門さま一行は岡崎へ。一行が出会った、殿様側近の侍、緒方戍一郎は、藩主水野忠盈に秋葉隆之介を討ち果たすよう命じられ悩んでいた。隆之介は、側近におだてられて自分の立場が見えない殿様に厳しく忠告をして逆鱗に触れたのである。隆之介は戍一郎の親友だ。君命に従うか、それとも友の命を救うのか、戍一郎は苦悩する。
<第704話>
黄門さま一行は近江八幡へ。一行は、仕事を斡旋する口入屋、音羽屋の女主人、嘉穂と知り合った。嘉穂は父親とは幼い頃に死別したと黄門さまに語り、しばらく父親になってほしいと甘え、二人は本当の父娘のように打ち解けて楽しい時を過ごす。ところでこの頃、近江八幡では、紫頭巾という覆面の剣士が出没し、困っている人を助け、悪人を退治してくれると人々の噂になっていた…。
<第701話>
黄門さまは、西山荘で大日本史編纂の作業を進めていた。水戸藩の元家老、山野辺兵庫とその孫娘、早月が黄門さまの身の回りの世話をしているが、口うるさい兵庫に助三郎と格之進はうんざり。ある日、早月は江戸に将来を誓った人がいると告白し、みんなを驚かせる。しかしその直後、思いを寄せる橋場大二郎から約束を忘れてくれとの手紙が届く。早月は大二郎の真意を確かめるため、江戸へ向かう。
<第702話>
黄門さま一行は箱根へ。関所では、厳しく人の出入りに目を光らせるその裏で、関所番頭の深尾平太夫が、山賊の蛇蔵と組んで、旅人から金品を巻き上げ、私腹を肥やしていた。お娟と早月も検査係りのおかねに理不尽な言い掛かりをつけられ、関所を通ることができない。先に進むことができず難儀をしている一行に馬子のお花が声をかける。そこへ山賊が現れて、助三郎、格之進がひと暴れ。