<第988話>
黄門さまと助三郎がヘボ将棋で夢中になりつつ乗り込む天童城下。将棋の駒のゆかしい文字の書き手は武家の妻。美しい妻女を狙う家老の息子の悪企みの罠に落ち、夫は入牢。その上、意地悪な姑に責められ涙も枯れた妻女を助け、将棋名人を名乗った黄門さまが城内で鮮やかな駒捌きを見せ、貞女の難儀を救ってやる。
<第989話>
山形の野天風呂でのんびり湯につかる内、何者かに路銀から大事な印籠迄盗まれた黄門さま一行の大御難。盗んだ村の若者が三つ葉葵の力で民百姓をいじめる悪代官と材木商をやっつけるが、若者の母親が人質にされた。姿を変えた黄門さまの作戦は、鍬形山の山小屋に悪者共を誘き寄せ天誅を下し、若者は親孝行に免じて許してやる。
<第986話>
米どころ出羽の国庄内地方に黄門さま一行が御忍びで現れるとの報せに脛に傷をもつ郡奉行と米問屋の一味。贋桝使っての年貢米誤魔化しの悪事を隠さんとの焦りから旅巡り一座で夜逃げ中の役者達を黄門さま一行と間違えて大もてなし、袖の下迄使ったが。其処へ現れた本物が筋書を立て、役者達を使って悪者一味を取って押さえる大芝居。
<第987話>
走る走る韋駄天走りの早飛脚。その競争相手に選ばれた八兵衛が特訓につぐ特訓、又特訓。出羽庄内藩の御本家と分家の意地の張り合いを正そうと、黄門さまの立てた作戦。元の主人親子への忠義を貫く早飛脚兄妹を助けて、かけくらべの大勝負の裏にひそんだ、庄内藩分裂を謀る悪家老一味を退治する、黄門さまの韋駄天裁き。
<第984話>
民謡づいた黄門さまの云いつけで踊り歌い乍ら秋田の城下へ近づいた頃、それぞれの父親と祖父を探す小さな三人組に翻弄され、怒り狂った目明しに黄門さまも泥棒扱い牢へ繋がれた。いよいよ領主も領民も一緒になって熱気に湧き返る盆踊りの夜、領主に白刃が閃く一大事が起きた。だが黄門さま情けの計らいに皆の上に幸せが戻って来た。
<第985話>
横手の城下で起こった珍無類な出来事は、八兵衛が二人現われる大騒動。何と、藩主松平の若殿様の顔型が八兵衛と瓜二つ。お世継ぎ問題を陰であやつる次席家老とその一味も大まごつき。黄門さまが二人の八兵衛を巧みに使い分け、悪企みの裏をかいて次席家老とその一味を討ち破る。八兵衛男を上げる横手の大手柄。
<第982話>
花嫁衣裳がぜいたくと捕えられた父娘と共に、何を想ってか黄門さまも牢屋入り。厳しい検約令と重い年貢に苦しむ津軽藩の内情は黄門さまの予想以上と二度びっくり。だが、弥七が探った裏には、悪者どものとんだ二重生活。若い二人の恋人の幸せを取り戻し、庶民の苦しみを救け、民芸品津軽こぎん刺しを世に残すみちのくの旅。
<第983話>
米処秋田の領内で黄門さま一行が出逢った二人の武士。一人は旅から旅の風来浪人、一人は農民を悪役人から守り農政を指導する。二人が苦心協力して作るは新式脱穀機。だが二人の間には仇を討つ者、討たれる者と云う悲しい宿命が横たわっていた。乗り出した黄門さまの真情込めた裁きは吉と出るか凶と出るか、恩讐を越えて涙あり。
<第980話>
蝦夷松前に着いた黄門さまは、お春の父を尋ねる内蝦夷の御用商人北海屋がお春の父の失踪と関係があるのを知って江差に向った。そこでお春の父を匿うトド射ちの名人とその娘、更に北海屋との板挟みに苦しむその兄の出現。隠れ家に向う黄門さま一行に襲いかかる悪人一味の銃声は轟き、娘は敵の手に。蝦夷地の苦斗が展開する。
<第981話>
北海屋一味と決戦を挑む黄門さま一行は原始林に潜み、トド射ちがひとり敵地に乗り込んで娘を助け出す。が、敵の猛追は激しく、素性のばれたトド射ちの息子がお春と共に捕えられた。黄門さま一行が漸くお春の父の隠れ家に辿り着いた時、藩兵を従えた敵の襲撃。トド射ちと敵の用心棒熊射ちの壮絶な一騎打ち。蝦夷の天地の大決戦。