<第959話>
若い男女が駆け落ち。二人は紀の国を二つに分ける程の勢力を持つ家の娘と息子。両家は百年来の敵同士。若い二人の行動に両家の争いは激しくなり、黄門さま一行も巻き込まれる。争いはついに刃物沙汰にまで及び、見かねた黄門さま、名乗りをあげる。若い二人は黄門さまの粋な計らいで紀の国を離れ、水戸へ旅立つのであった。
<第960話>
通船問屋「車屋」の主人が亡くなり、三年前勘当された極道息子が帰って来る。店は息子の継母が守り、息子を正道に戻らせて継がせようと思っているが、親の心子知らず。河内中の通船乗っ取りを町奉行所与力とたくらんでいる通船問屋に踊らされる息子。河内音頭を見物に来た黄門さま一行の助太刀で悪事は露見。親子の誤解も解ける。
<第957話>
藩主の不在をよいことに他国との紙商いを禁止、領内で出来る紙を全て藩が買上げる等、土佐紙の利権を動かし、私利私欲に耽る城代家老、目付、御用商人。老舗の紙問屋にも自由に買付けが出来ず、紙不足から値上りし、領民も大迷惑。商人に身をかえた次席家老の間者と弥七の手で密売の帳簿を入手し、悪事が露見。
<第958話>
徳島名物阿波踊り。しかしここ数年間唄や囃子言葉は一切御法度。十年前、家老と大阪の商人が藍の利益を独占しようと藍問屋に濡れ衣をきせ闕所にしたが、その阿漕なやり口に苦しめられた人々は、藍問屋の息子八郎太の再来を願い囃子唄をつくったからだ。その八郎太が帰って来て、黄門さま立会いのもとで両親のうらみをはらす。
<第955話>
腕の良い花ござ造りの職人は、年がら年中夫婦喧嘩。博奕にかまけて仕事をせず、おまけに負けてばかり。黄門さまは岡山藩主に金を貸りて一世一代の大勝負。にらんだ通りのイカサマ丁半。盆ござの下ではイカサマ師を弥七が威し、黄門さまの大勝利。黄門さまに刃が向けられ大乱闘。そこへ家老が駆けつけ、イカサマ一味を縛り上げる。
<第956話>
松山藩では、世継ぎをめぐり、亡き正室の嫡子菊千代と側室の子を立てようとする二派に分れての暗斗。菊千代は実は替玉。母に会いたい一心で城を抜け出し黄門さまと知り合う。菊千代の命を狙う側室方の次席家老。菊千代留守中に公儀大目付が裁決に松山城へ。弥七の報せで黄門さまは菊千代を連れ登城。次席家老の悪事を暴き、お家は安泰。
<第953話>
黄門さま一行の助けた旅芸人の花形娘は実は鳥取藩横目の娘。虚無僧に変装した許婚と共に、御城代が隠し金山で私腹を肥やしている事実を暴き藩政を正そうと当主のいる江戸より出て来たのだ。しかし許婚は出世の為に次席家老に寝返る。隠し金山の元凶は実は次席家老…。娘の申し立てで事件は解決。わざと娘の手にかかって死ぬ許婚。
<第954話>
街道筋を荒し廻る兇状持ちは弥七に瓜二つ。神社で旅人の懐を狙うちんぴらは、弥七を兇状持ちと勘違い。みやげ物を商うちんぴらの母の恩ある織元は、西国屋から機場を乗っとられようとしている。一枚かんでいる二足草鞋の悪人と郡奉行。兇状持ちは弥七と共に西国屋へ押し入り織元に三年前の恩返しをする。
<第951話>
出雲では時ならぬ神かくしが続発。若い娘が次々と姿を消す。黄門さま一行の目の前で沢田屋の娘も神かくしに。実は後妻を嫌った娘の狂言。だが忍びくずれの誘拐団の知る所となり、娘は本当にかどわかされてしまう。今までの神かくしは皆この一味の仕業。一行の働きで助け出された娘、黄門さまの計らいで初めて後妻の真情を知る。
<第952話>
格之進が十年振りに訪ねた旧友は、国抜けの大罪で召捕りに。裏には世継を巡る松江藩のお家騒動が。藩主の弟の寵愛を受けた妹と旧友は、自らの血縁に繋がる藩主の孫を立てる城代と対立。藩政を牛耳らんとする城代の手から弟君を匿っていたのだ。双方の言い分を聞いた黄門さま、命に代えて訴えた妹の心根を汲み取ってやるのだった。