<第609話>
黄門さま一行は酒田へ。一行は元気のよい問屋の若い女主人・美津と知り合った。美津は店の番頭・清七に恋心を抱いていたが、酒も飲まない堅物の清七に不満も感じていた。一行とは別行動の千太は、道中ごろつきに絡まれているところを旅の女剣士・茜に助けられる。茜と同行することになった千太は、人を探しているという茜が、仇討ちをしようとしているのではないかと疑っている…。
<第610話>
黄門さま一行は、将棋の駒作りで有名な天童へ。この地では盛んに将棋が打たれていたが、人々が仕事も忘れて賭け将棋に熱くなり、負けて女房を取られる不届き者まで出る始末。実は将棋好きの殿様・松平宗弘が将棋にうつつを抜かし、治世をおろそかにしているのだと聞き、黄門さまは眉をひそめる。
<第607話>
大曲に着いた黄門さま一行は、鬼ヶ島と呼ばれる歓楽街があることを知る。鬼ヶ島は、権三という悪者が仕切っている。鬼ヶ島の妖しげな雰囲気に興味津々の黄門さまと千太は、さっそく繰出してどんちゃん騒ぎ。千太は鬼ヶ島でかつて命を助けられた武田龍之進という侍と再会する。数年前、金が無くなってつい他人のものに手を出して、懲らしめられていた千太を救ったのが武田だった。
<第608話>
黄門さま一行は新庄へ。最上川の舟下りなど楽しみたいなどと黄門さまが話しているところへ、武家の老女・松代がぶつかって来た。松代は黄門さまに武家の女を見かけなかったかと聞き、息子の藤馬を連れて立ち去ってしまった。その後、宿を決めようとしていた一行に、頭巾を被った若い女が同宿させて欲しいと声を掛けてきた。その女こそ松代が探していた紀伊だった。
<第605話>
黄門さま一行は蝦夷へ。この地には鬼若の武術の恩師・島村湧水が剣術指南として仕えている。湧水は次席家老の奥野相模と共に、殿様の留守中藩政を預かっている。今をさかのぼること十年。鬼若は強くなることしか頭にない乱暴な若者だった。鬼若は、京都で名刀・風虎の剣を手に入れた帰りに伊賀に立ち寄った湧水に出会い、その強さに驚いた。湧水に完全に打ちのめされ、鬼若は次第に変化していった…。
<第606話>
黄門さま一行は久保田へ。一行は京都からの旅人、尾形清庵と出会う。清庵は高名な絵師だが、最近自分の絵のにせものが出回っているため、自ら犯人を探す旅を続けているという。黄門さまは、久保田の若い絵師、鶴吉とその妻・お峯とも知り合う。鶴吉はいい腕をしているが、画風が清庵のものと似ていると黄門さまは感じる。それもそのはずで、実はにせものを描いていたのは鶴吉だったのである…!
<第603話>
黄門さま一行は花輪へ。道中日記を水戸へ送った格之進は、ちょっと生意気な旅の女おまさと頼りなさそうな六助の二人連れと出会う。一行は町で評判の美人占い師がいると聞き興味を持ち、助三郎が早速占ってもらう。自分の身の上を言い当てられ助三郎は驚いているが、その占い師・八雲がおまさだったことを知って、信じられないといった表情を見せる。
<第604話>
黄門さま一行は弘前へ。名産の津軽塗を買い求めようと考えた黄門さまは、居酒屋の女将・おたえの紹介で、職人の徳次郎、清太郎父子を訪ねる。徳次郎は津軽一と言われる腕だが、たいへんな頑固者で黄門さまの依頼を断った。頑固では引けをとらない黄門さまも、作ってくれるまで町に宿泊すると応戦する。清太郎は何かというと半人前扱いをする父親に反発し、父子はつかみ合いのけんかになる…。
平和な江戸の街で旗本と町奴のケンカが起こった。旗本の首領格は近藤登之助、町奴の頭は唐犬の重蔵。気風のいい芸者の駒吉が仲裁に入り騒ぎは一旦収まるが、そのあとも一触即発の状態が続くことに…。その頃、黄門さまは西山荘で野良仕事に精を出していた。助三郎と格之進は山野辺兵庫に叱られながら、畑仕事に汗を流していた。黄門さまは八重からの手紙で江戸の騒動を知り、助三郎、格之進を従えて早速江戸へ向かう。