<第572話>
黄門さま一行は御油に到着した。一行は情け容赦のない取り立てで人々から鬼だと恐れられている、金貸しの金五郎と知り合った。金五郎の非情な厳しさに、助三郎と格之進は腹を立てているが、金五郎が浪人たちに命を狙われていることを知り、黄門さまは用心棒を引き受ける。その夜再び浪人たちが家に押し入るが…!?
<第573話>
黄門さま一行は有松へ。この街は絞り染めの有松絞が有名で、問屋などが立ち並び、たいへん賑わっていた。仕事の様子を見学しようと考えていた黄門さまだが、「うわなり打ち」と口々に叫ぶ女の一団に出くわす。うわなり打ちとは離婚してすぐに夫が再婚したとき、先妻が後妻に仕返しをする風習で、先妻、後妻を応援する女たちも加わって壮絶な決闘が繰り広げられる…。
<第570話>
黄門さま一行は磐城へ。黄門さまが立ち寄るという磐城小名浜は、磐城各藩の年貢米輸送、近隣諸国の物資積み出しのほか、様々な魚の水揚げを誇る漁場として知られている。そこで日本一のやなぎかれいの干物を作る娘がいると聞き黄門さまの足は早まる。一行は元気のよい漁師の娘、お久美と知り合った。お久美は、漁で使う網にうっかり腰掛けていた黄門さまを烈火のごとく叱りとばした!
<第571話>
水戸の西山荘で、晴耕雨読の毎日を送っている黄門さまのもとへ江戸から届いた急の手紙を持って山野辺兵庫がやって来た。それには駿府の久能山東照宮に神君家康公の幽霊が出ると記されていた。将軍・綱吉が家康の霊を慰め、真相を探るために、自ら駿府に赴くと知り、黄門さまはそれに同行しようと江戸へ向かう。黄門さま一行は八重の寮に滞在し、江戸の様子を探る…。
<第568話>
黄門さま一行は三春へ。道中馬の世話をする少年、太吉と出会った。黄門さまは太吉の馬、テツが名馬だと感心する。太吉は姉のおはると二人暮し。おはるは太吉の将来のために、学問をさせたいと考えている。三春では近々馬市が開かれることになっており、おはると太吉はテツが高く売れるよう期待している。馬の仲買人の善七から、特に優れた馬は藩に高価で買い上げられることもあると聞き、二人の期待は高まるが…?
<第569話>
黄門さま一行は白河へ。 お娟は道中立ち寄った芝居小屋で、女形の染也と知り合った。染也には白河に父と妹がいたが、錠前師の父、由五郎は、家を飛び出して役者になった自分のことを快く思っていないと語り、寂しそうな表情を見せる。一方、黄門さまと助三郎、格之進は居酒屋で酔いつぶれた由五郎と娘のおかちと出会った。おかちは、由五郎と染也を仲直りをさせたいが、由五郎は会おうともしない…。
<第566話>
黄門さま一行は白石へ。アキが小さなほこらに置かれた赤ん坊を見つけた。泣く赤ん坊に困っていると、噂を聞いたと言って武家の女、萩が乳を与えるために訪ねてきた。萩は最近赤ん坊と死に別れたという。さて、格之進とお娟は、慣れない赤ん坊に手を焼いていたが、旅に疲れた様子の侍、鏑木菊之進が自分が赤ん坊の父親だと名乗ってきた…。
<第567話>
黄門さま一行は二本松へ。一行は旅の女、おはなと知り合った。おはなは幼い頃別れた母を探して大坂から出てきたというが、何も手がかりが無く途方に暮れていた。しかも若い女の一人旅では何かと都合が悪い。格之進が夫に成り済まし母探しを手伝うことになった。
<第564話>
黄門さま一行は山形へ。助三郎が突然腹痛を起こし、近くの医師、お杏を訪ねる。お杏は「手遅れ」というのが口癖。助三郎も体がなまっていると診断された。黄門さまは、お杏は口は悪いが腕はいいと感心する。山形の紅花に興味がある黄門さまは、井筒屋清兵衛の娘、おようの案内で仕事場を見学する。おようは市之助と協力して紅花の染め物を開発し、新しい産業にしたいと考えていたが…?
<第565話>
黄門さま一行は仙台へ。道中知り合った元気のいい娘、良江は働き口を探していた。ちょうど侍の太田鉄之介が女中を必要としており、良江は太田家で働くことになった。太田家は長女の市を頭に五人の子沢山で、母親は数年前に亡くなっていた。市が家事を取り仕切っており、良江が家に入ることを快く思っていない…。ある日、良江は偶然原頼母たちが悪事を企てていることを知り、黄門さまに相談するのだった。