<第522話>
山陽道の要・矢掛宿で、一行は上意討ちの旅を続ける侍・平蔵と出会う。平蔵は、参勤交代で今この宿場にいる暴君・吉川越中守の命を受け、おゆき・文吉夫婦を殺すよう命じられていた。だがその内実は、手をつけようとして逃げられたおゆきに対する越中守の逆恨み。平蔵は捕らえられたニ人を斬るように命じられるが、それを断り、越中守を諫める。
<第523話>
為替受け取りのため別行動の格之進は、みなという娘と雨宿りをする。みなは福山で評判の保名酒屋の娘で父親が勧める縁談があったが、その縁談を断って欲しいと言い出す。黄門さまはみなが格之進に恋をし、格之進もみなを好ましく思っていることを見抜く。一方、酒問屋の井筒屋は自分も保名酒で商売したいと考え、奉行の黒川と結託して悪企みを仕掛ける。
<第520話>
赤穂はその塩田で作る赤穂塩が有名で、その製法の秘伝を盗み出そうとする者が後を絶たない。日々、血が流される隠密狩りに、黄門さまは心を痛める。そんな折、塩田の所有者・浜人の娘が、塩焼き職人の与市と恋に落ちる。与市は実は塩作りの秘伝を盗みに来た吉良の隠密。黄門さまは城代家老の大石内蔵助と謀り、与市を隠密狩りから救おうとする。
<第521話>
教育が盛んな岡山を訪れた黄門さま一行。この辺りでは、子供たちが行方不明になる事件が多発していた。寺子屋の師匠・周平の話によると、子供たちは借金の代わりに過酷な労働の銀山へと売り飛ばされているという。お銀が迷子の女の子を助けると、それは周平の娘。一行は、寺子屋に泊まり、子供たちを守ることにする。
<第518話>
幻の銘酒を作る灘の酒屋は、当主の茂平が病に倒れている為に蔵出しが出来ない窮地。それを承知でお殿様が、将軍家献上の酒を江戸表へ届けろと言っていると知って、黄門さまは疑問を抱く。そんな中、茂平は蔵出しを果たす為にも助三郎か格之進を娘の婿にと願い、助三郎が娘の勢津の仮の婿となる決心をするが…。銘酒を汚す悪企みに、黄門さまが立ち向かう。
<第519話>
姫路藩の若君様が誘拐された!神社に立て籠もった反乱者の要求は、五万石を貰い受けての、先の殿様のご落胤といわれる男の分家独立。途方もない要求に姫路城内は大揺れに揺れる。そうと知った黄門さまは若君を救おうとするが、悪の手に落ち、人質になってしまう。姫路藩と力を併せ、助三郎、格之進、お銀、飛猿の救出劇が始まった!
<第516話>
一行は大坂で鰻屋の女主・お近と出会う。鰻弁当の味比べの勝負に出るために張り切っているお近に、黄門さまは江戸で流行している蒲焼の料理方法を伝授する。一方、金貸しの大黒屋は、偽の証文をでっち上げて保証人からも厳しく取り立てていた。お近の店の職人も保証人で、大黒屋は弁当比べに勝ったら、借金を帳消しにすると条件を出す。
<第517話>
張り切って稽古に励む、染丸、宗助ら人形浄瑠璃の遣い手たち。米問屋の船木屋の働きかけで、お殿様が人形浄瑠璃を見物することになったのだ。だが、宗助がならず者に襲われ、腕に怪我を負う。船木屋から米の商いを横取りしようと狙う、日野屋の企みだった。自棄を起こした宗助を立ち直らせようと、染丸は黄門さまの力をかりて、一芝居を打つ。
<第514話>
川を下る一行に、小舟で物売りに来た少年・太郎吉。その賢さに、黄門さまは目を見張り、水戸に連れ帰りたいと願う。一方、太郎吉は立派な商人になるのが夢で、亡き河内屋の妻・おさわを母のように慕っていた。河内屋では、娘とその亭主が両替商を始め、闇の商いを取り仕切る商人と繋がりが。心痛のおさわは、太郎吉と共にニ人に、商いの本道を教えるが。
<第515話>
黄門さま一行は、千両箱を駕籠に乗せて運ぶお玉と知り合う。伏見から大坂まで三十石船が運航されるようになってから、守口の宿場は活気をなくしていた。お玉はこの千両で町に人々を呼び戻すと言い、町の人たちもその資金の足しにと金を集める。疑問に思った黄門さまが、その千両箱をあけると石ころばかり。お玉は初めから人々を騙すつもりだったのだ。