<第492話>
元気のいい渡世人の半次と知り合った黄門さま一行。実はこの半次、手込めにあっている娘を助けようとして悪人たちを傷つけ、追われていた。二年前、半次を逃がした十手持ちの長五郎にそう話を聞いて、黄門さまは疑問を抱く。半次は何故戻ってきたのか。恩ある娘を女郎屋から救い出そうとする空っ風のような男に、黄門さまが助太刀をする。
<第493話>
伊勢崎で一行が出会ったお春は、縁切り寺に駆け込もうとしていた。お春は、名産の絹織物・銘仙を扱う境屋の嫁。絵の才能を銘仙に生かしたいと考えるが、境屋の家訓は嫁が仕事に関わることを禁じていた。一方、藩御用の金看板を狙う赤城屋は境屋に、奉行に賄賂を贈るよう迫る。若い二人に夫婦の道を説く御老公の活躍。
<第490話>
黄門さま一行は松本への道中で、娘飛脚のお妙に藩御用達の松本紬を作る島屋を紹介された。その島屋は、献上する紬に傷があると騒ぎに。黄門さまは、藩御用達の看板を狙う大戸屋の仕業と突き止める。そんな中、お妙が上田藩主の娘だと判明。黄門さまは、はびこる悪を懲らし、威勢のいい娘飛脚のお妙とともに江戸を目指す。
<第491話>
追分に着いた黄門さま一行。旅籠では、娘が売られてきて、泣く泣く客を取らされていた。旅籠の主・熊蔵は、陣屋の手代と手を組み遊廓を作り、儲けを企む。旅籠の売れっ子・おせんは猛反対。熊蔵たちは、おせんが邪魔になり、隠れキリシタンに仕立て、磔にする。女たちを泣かす悪党どもを、黄門さまが成敗する。
<第488話>
八兵衛が足をケガし、医師の弘雲の世話になる。そんな折、江戸に医術の修業に出ていた弘雲の息子が帰ってきた。なんと恋人を連れており、弘雲は二人の仲を認めない。弘雲は、息子の留学費用を両替商・野沢屋に借金しており、野沢屋の娘を息子の嫁にする約束をさせられていた。一方、勘定奉行は弘雲の所持する薬で家老を毒殺しようと企んでいた―。
<第489話>
一行は遂に松代へ。お千代が仕える殿村家の久江から詳しい事情を聴く。半年前、松代城内で井沢が家老の赤星一味に殺害され、それを目撃した久江の息子・三郎が行方不明だという。赤星は、御用商人の千田屋と結託し私腹を肥やし、それに気づいた井沢は建白書を出して悪を糺そうとしていたのだった。黄門さまは祈祷師に扮し、赤星の屋敷に乗り込む。
<第486話>
与板の町で、八兵衛が履き古した草鞋を捨てると、善次郎という男がもったいないと持っていった。一行は善次郎が豪商・大坂屋の主と知ってびっくりする。大坂屋は藩に金を貸し、金額は莫大なものに。家老は借金を帳消しにする為に、大坂屋が一手に握る商売の権利を譲るように迫り、善次郎は家老と刺し違える覚悟をする。
<第487話>
八兵衛は、兵六という調子のいい男から、若い娘と踊れると盆踊りに誘われて心がときめく。一方、一行はお佳代が何者かに襲われている所を救う。父が借金を負う東屋に、嫁に貰うと迫られ逃げ出して来たのだという。兵六は美しいお佳代の為に東屋と結託する代官屋敷に忍び込もうとするが…。縮み買占めを巡る悪企みに黄門さまが臨む。
<第484話>
三面屋の主・光兵衛は黄門さまに瓜二つ。その因業さで、職人達に恐れられていた。そんな折、職人の富松が病死する。あと五日勤め上げれば勤続四十年の褒美、十両を光兵衛から貰えることになっており、職人達はその死を隠そうとする。一方、悪徳商人は利権を狙い、三面屋から殿様拝領の金杯を奪う。黄門さまは光兵衛に成り済まし代官所へ向かう。
<第485話>
新津で出会った初老の男・平作。この辺りでは臭水という燃える水を燃料や明かりに利用していたが、それは爆発する恐れのある危険なもの。平作は臭水を安全なものに精製する技術を開発する為、諸国を行脚。だが、故郷に帰ってみると、十年前に別れた娘は深い恨みを抱いていた。燃える水の独占を狙う悪を懲らし、父と娘の絆を結ぶ黄門さま。